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interview

<事例紹介:株式会社リクルート「Alumy」 金田様>

株式会社リクルートの新規事業「Alumy」が事業成長を加速できた理由〜事業フェーズに合わせた営業パートナーの支援とは〜

新規事業が軌道に乗り、更なる成長を目指すフェーズでは、事業環境の変化に機敏に適応しながら、営業・マーケティングの体制を強化していくことが求められます。さらに顧客が増えればクライアントサクセスの充実にも対応しなければなりません。

自社のリソースが限られるなかで最適な組織体制を構築するには、営業やクライアントサクセスのアウトソーシングが有力な選択肢の一つです。

リクルートの新規事業提案制度から生まれた「Alumy」は、企業の退職者をデータベース化し、再就職や業務委託としての復職・復帰を促すマッチングサービスです。

ユニークなコンセプトによって急成長が見込まれるものの、自社の営業リソースだけでは不十分な中で事業基盤の強化に向け、営業パートナーとしてプロセルトラクションにご依頼をいただきました。

順次、支援体制を拡大しセールスだけでなく、クライアントサクセスの領域にもアウトソーシングの範囲を広げることを決断されました。
事業フェーズの転換点において、なぜ社内リソースによる内製化ではなく、あえて外部パートナーを起用したのでしょうか。

そのねらいと成果について、新規事業開発室でAlumy プロジェクトを統括する金田氏に、プロセルトラクション代表の長谷川裕樹がお話を伺いました。

1.Alumyの事業内容と当時の課題設定

長谷川:
まず事業内容をご紹介いただいてもよろしいでしょうか。
金田:
「Alumy」は、退職者と企業をつなぎ続けて、企業の採用・育成・エンゲージメント強化を実現するプラットフォームです。人材の流動化が加速する中、企業にとって「カムバック採用」によって、優秀な人材の確保と定着を図るための仕組みを提供しています。

退職者をプールしておくことで、採用コストの削減、社員のエンゲージメント向上、企業ブランディング強化など、様々な効果が期待できます。Alumyは、退職者管理ツールにとどまらず、企業と退職者の双方に価値あるプラットフォームを目指しています。
長谷川:
ありがとうございます。リクルートの新規事業提案制度によって金田様を含め3名で新規事業をスタートさせたとお聞きしていますが、弊社にご依頼をいただいた時点での課題感はどのようなものだったでしょうか。
金田:
当時の弊社には創業メンバー3名に開発の1名が加わった状況でした。そもそも弊社が想定した採用課題を持っている企業は「ある程度いるだろう」とPMFの見通しは経った段階で、ただし事業性の将来性や収益性を証明する必要がありました。

Alumyは事業の性質上、BtoBtoCのようなスタイルなので、最終的な売上を作るためには、まず利用いただける企業の開拓が必要です。そのうえで、企業様が実際に退職者とコミュニケーションを取ってカムバック採用につながることで初めてサービスの価値が生まれます。そのため、ご契約いただいた企業様にはマンツーマンでクライアントサクセスが伴走するサポートも必要です。

営業、企画、クライアントサクセス、さらには退職者フォローまでをすべて社内で行っており、これ以上の事業拡張の難しさを感じていました。これが、プロセルトラクションさんにお願いをした経緯になります。
長谷川:
新規事業の拡張性および収益性を検証するという点では創業メンバー以外でも、たとえば弊社のように外部のパワーでも同等の受注率を確保できるかというのは重要な判断基準になります。また受注しても、オンボーディングができなければ顧客満足にも御社の売上にはつながりません。したがって受注率とともに、アクティベートの率や温度感についても再現性を確認したかったということですね。
金田:
その通りです。私ども創業メンバーならオンボーディングまで達成できるが、ほかでは無理という状況では、事業の拡大性を証明できません。

また、もう1点早くから課題に感じていたのは、社内で営業経験があったのが1人だけだったということです。しかも、HRメディアの営業経験が3年程度しかなかったので、BtoBの営業ノウハウについては心許ない状況でした。

2.セリングスキルに加えHR営業の専門的な知見をもつプロセルトラクションへの期待

長谷川:
弊社に所属するHR業界に精通したセールスパーソンから、ノウハウも社内に取り入れていきたいとお考えだったのですね。
金田:
そうですね。営業の成果は徐々に出始めていましたが、果たして自分たちのやり方が本当に正しいのか、プロの目から見て合理的なものなのかを確かめたいという思いもありました。

一方で、プロセルトラクションさんは新規事業の立ち上げ支援に数多く携わってきたプロ集団です。単に営業を依頼するマンパワーではなく、むしろ私たちがプロセルトラクションさんから学ばせていただきたいという気持ちが強かったですね。
長谷川:
これまでも、そのようなご依頼は数多くいただいていました。新規事業特有の不確実性が高い環境下で、どのように営業を組織化し、PDCAを回して、再現性を高めていくのかを伴走しながら実現してきたという自負は持っております。
金田:
まさに専門的な営業をやってきた観点で相談に乗っていただけましたし、営業資料の内容や提案の流れまでレビューしていただけたのは大変心強かったです。

3.クライアントサクセスさらにはコーディネーター業務も一貫して依頼できる利便性

長谷川:
その後、クライアントサクセスについても、さらにはコーディネート業務もサポートをさせていただくようになりました。このように2段階だった理由は、なぜでしょうか。
金田:
まずクライアントサクセス業務についても弊社スタッフ以外で再現性があるかを確認する必要がありました。実際に、営業とともに社員や派遣スタッフが担当していましたが、営業活動が軌道に乗り、契約企業数が増えてくるにつれて、今度はオンボーディングやクライアントサクセスのリソースも不足する事態になったのです。

当初、プロセルトラクションさんにクライアントサクセスの専門部隊がいらっしゃることを存じ上げなかったのですが、顧客とのあらゆる接点でのコミュニケーションに長けたプロフェッショナルであると認識しました。
長谷川:
ありがとうございます。そうですね、リード獲得、アポ獲得から商談クロージングはもちろん、その後のお客様のクライアントサクセスまで一気通貫でサポートをさせていただいています。今回専属でサポートしたスタッフも、クライアントサクセスの経歴が長いプロフェッショナルでした。
金田:
事業サイドで悩ましいのは、受注が増えるほど、クライアントサクセスの人員ニーズも急速に増す点で、正社員や派遣スタッフを採用するスピード感では到底追いつきません。その点、アウトソーシングなら迅速かつ柔軟に対応いただけるのも本当にありがたかったです。
長谷川:
クライアントサクセスがうまく回るようになってくると、今度は退職者のコーディネート担当が必要になったということですね。ここも社員の方と、派遣スタッフの方が同時に担当されていたと記憶しています。
金田:
そうですね。ただ派遣スタッフの性質上、攻めの姿勢で数字を作るという働き方はマインド的にもあわないので難しさは感じていました。そこで派遣スタッフに任せるだけでなく、主体的に数字を作りに行くことができるプロセルトラクションさんにご依頼したという次第です。

Alumyの事業成長フェーズにあわせて、そのときどきに必要な支援をプロセルトラクションに要請した結果、確実に応えてきていただいた感覚があります。

4.各業務の具体的なサポート内容と成果

長谷川:
あらためて営業、クライアントサクセスそれぞれ、弊社のご支援した内容を振り返りながら、ご評価をお聞かせいただきたいと思います。

まずAlumy様と受注率の目標を設定させていただき、常に商談をこなしながら新規獲得企業数や通期目標を達成いたしました。
金田:
決して低い目標ではない中、当初から継続的に目標を達成していただきました。また弊社内で営業の「型」と呼べるものを確立するうえで、さまざまなナレッジを注入していただいたと思っています。
長谷川:
ありがとうございます。次にクライアントサクセスですが、オンボーディング業務においては弊社スタッフがアイデアを持ち込み、新たな説明用のスライドを作成しブラッシュアップするなど、業務の質を向上できたのではないかと思っています。
金田:
特に初期は非常に負荷・ストレスがかかる状況だったのではないかと思います。というのも、新規事業にありがちなことだとは思いますが、プロダクトの仕様を頻繁に変更しなければならず、それに伴いクライアントサクセスの業務はオペレーション変更を余儀なくされています。

こうした状況でも率先して、顧客への説明と同意を得てきて、稼働開始日の見通し通りに実行してくださいました。社内のスタッフにも非常に刺激になったと思います。
長谷川:
非常にありがたいご評価ですね。誰も経験したことのないような業務が途中で発生するのも、新規事業を成功させるためには避けて通れない道かと思います。それでも新たにマニュアルを作成したり、過去の事例を探ったりすることで対応したと聞いています。
金田:
さらに申し上げるとオペレーションの改善提案をしてくださるところも非常にありがたく感じていました。業務の進め方が丁寧で細かい点に気づく方なので、違和感をもたれたときの反応や感覚というのをとても信頼しています。

5.顧客と多くのタッチポイントを作ったからこそできるオンボーディングのノウハウとフィードバック

長谷川:
先日は弊社スタッフが、その他のオンボーディング担当の皆様を対象とした勉強会を開催させていただいたと、お聞きしました。
金田:
私から依頼したんです。以前からオンボーディングが最もスムーズで、オンスケジュールだという実績が光っていました。その秘訣、ノウハウを教えてもらえないかと、話しているうちに勉強会の話になりました。実際にプレゼンしていただいたところ、偶然結果が出ているのではなく、極めて精緻にスケジュールを設計されていることによる必然の結果なのだと再認識しました。

このようにノウハウを発見、開発いただき、社内に還元していただけるのは、PDCAサイクルが「逆回転」しているような感覚があります。セールスでも同様に、プロセルトラクションさんから教わったノウハウや体系化されたフローが確立されつつあります。最初にご依頼した時点の期待以上の成果と言っていいと思います。
長谷川:
嬉しいお言葉をありがとうございます。今後、ご期待いただいていることなどもあればぜひお聞かせください。
金田:
そうですね。新たにサポートをいただく退職者のコーディネート業務でも、プロセルトラクションさんからのノウハウを吸収させていただけるような「逆回転」が起こることを期待しています。

新規事業に対して一緒にトライアンドエラーを繰り返していただけるだけでもありがたい存在だと思っていますが、これからさらにクライアントもエンドカスタマーも増えていくと思いますので、ぜひ伴走いただければと思います。
長谷川:
こちらこそ、新規事業の成長をトータルでサポートさせていただく機会を与えていただき、光栄です。新たなサポートメンバーもモチベーション高く業務にあたっていますので、ぜひご期待ください。本日はありがとうございました。