
interview
<事例紹介:株式会社トランク 代表取締役 松崎早人様>
BtoC企業であった株式会社トランクがBtoB新規事業の「CARAETO LOGI」で、プロセルトラクションを活用した目的と成果

BtoCで成功している企業でも、新たにBtoB事業を立ち上げる際は、営業戦略の立案からマーケ・セールス体制の構築など、新たなノウハウ・リソースが必要となります。そういったなか顧客開拓を図るために、マーケティング、セールスともに最初から内製チームを作ることもひとつの手段ではあります。しかし、強固なマーケティング・セールス体制を構築するのは、時間も費用もかかり、ノウハウの蓄積はさらに労力・時間を要します。
株式会社トランクは、主力事業である宅配型の収納サービス「CARAETO」をBtoCで順調に成長させてきましたが、新たにEC事業者などを対象に「CARAETO LOGI」をローンチするタイミングでスピーディな顧客開拓と体制構築を期待してプロセルトラクションにマーケ・セールス業務を依頼いただきました。
なぜセールス・マーケティングのアウトソーシングを決断したのか、実際の成果はどうだったかを代表の松﨑様に、プロセルトラクションの代表である長谷川裕樹がお聞きしました。
1.体制構築と営業検証のスピードを最速で実行するうえでプロセルの協力を得るに至った経緯と目的
- 長谷川:
- 本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは貴社の事業内容を簡単にご紹介いただけますか。
- 松﨑:
- はい、弊社の主力事業は宅配型収納サービスのCARAETO(カラエト)です。季節ものの洋服やかさばって棚におさまりきらない本、手放すのは惜しいコレクションや思い出の品などをダンボール1箱からお預かりするサービスです。アプリやPCから申し込むと専用ボックスが届くので、あとは荷物を詰めて集荷依頼するだけ。「手軽に利用できる」ということで、順調に利用ユーザー数は伸びていました。
- 長谷川:
- ありがとうございます。順調に成長していたCARAETO(カラエト)のアセットを活用して新たにBtoB事業を展開するということで、その際にはどのような課題感があったのでしょうか。
- 松﨑:
- 新たにBtoBの新規事業を展開すると決断して開発を進めてきました。サービスの企画~開発に関しては体制もノウハウもあったのですが、いざ顧客にアプローチし営業していくとなったときに、営業体制が社内に不十分な状態でした。また新規事業ですので、営業マンをアサインして活動しながらも、営業活動のなかでPMF検証を行っていくテストマーケティングの役割も必要でした。それをスピーディーにやりたいというなかでどのような方法があるか模索していたところでした。そのなかで、営業代行企業へのアウトソーシングを検討するに至りました。
- 長谷川:
- 営業のアウトソーシング先を選定するうえで、重視していたポイントはどこになりますか。
- 松﨑:
-
営業やマーケティングの実行部分の能力がある会社かというのはもちろんですが、その手前のマーケティング・営業の戦略の部分から一緒に考え、提案してくれるか。また、その精度や筋の良さというのを重視していました。
サービスプランニングやいくつもヒアリングやリサーチを重ねつくりあげてきましたが、そのサービスをいかに顧客に届け、導入していただくかは、また別途深く検討していく必要性を感じていました。
- 長谷川:
-
マーケットリサーチをもとにサービスのプランニングはしていたものの、それを事業が目指すトップライン水準に到達するだけの顧客をいかに獲得していくか、そこのプランニング、戦略に不安、課題があったということですね。
そういった状況下で、弊社プロセルトラクションを選んでいただいた理由をお聞かせいただけますか。
- 松﨑:
-
長谷川さんのおっしゃる通り、当時の弊社の状況は、数多くのマーケットリサーチを経て、サービスを作ったものの、事業の売上ポテンシャル最大化を目指すにあたって、ターゲティングの精度を高めたり、新たなターゲット像を見つけ出す必要がありました。どのような業種、規模、ステージの事業者に導入していただけるのかターゲティングについての確からしさに欠けていました。
そのような中で、プロセルトラクションさんより発注前の段階からターゲティングについて納得感ある仮説に基づいたご提案をいただき、また検証方法についてもご説明があったことを心強く思いました。
また、リサーチを重ねてサービス設計した段階でしたので、実際に営業活動を通じて獲得した顧客の声をもとにサービスを改善していきたいと考えていました。その点、プロセルトラクションさんは、新規事業の立ち上げ支援実績が豊富で、事業開発目線もお持ちです。また、マーケ・営業活動を通じて、VOCのフィードバックをするという姿勢にも魅力を感じてお願いしました。
2.アウトバウンドマーケティングにおける商品・サービスが顧客に貢献できるセグメント特定(ターゲティング)の重要性
- 長谷川:
- ありがとうございます。御社のサービスは、幅広い業種、会社様にニーズが存在するだろうと予測できました。そういったサービスはインバウンドマーケで顧客開拓できれば理想なのですが、インバウンドマーケは時間と費用がかかるので、新規事業立ち上げフェーズの目的に対して時間軸が合いません。そういったなかでアウトバウンドマーケティングをする必要がある。ただ、やみくもにアプローチしても効率悪く成果に繋がらないので、初期のマーケティング戦略、営業戦略が重要であり、どんなクライアント様と相性がいいのかを見極めることが重要で、こんな戦略的な部分を改善してくれるパートナーを探されていたということですよね。
- 松﨑:
- そうです。ターゲットとなり得る企業群が多くあるなか、最も当社のサービスと相性の良い企業群、つまり当社のサービスならではの価値をご評価いただき、かつLTVも高くなる可能性のあるターゲット像を見極めたいと思っていました。
- 長谷川:
-
私どもとしては、そうしたご状況も踏まえて、最初に御社のサービスの特徴や提供できる価値を改めて整理し、その価値を求めてるであろう業種や企業規模、フェーズなどいくつかの観点でセグメントに分けて「初期仮説」として提案させていただきました。
そして実際に、各セグメントごとに提案ストーリーを設計し、テレマーケティングやメールマーケを実行しアポイントを取得し、オンラインセールスにて営業活動を行いました。
その活動結果を各セグメントごとに、パイプライン管理して、アポ獲得率や受注率の比較や受注理由・失注理由の分析を通して相性の善し悪しを見極めました。あまり良くないところはアプローチをやめて、反応の良いところを優先するというのが最初の取り組みでしたよね。
- 松﨑:
- 非常にスピード感をもって実行していただいたと思っていますし、いわゆるイノベーターやアーリーアダプターと言われる新規サービスの導入にも積極的な顧客層の選定はロジカルで適切だったと思います。御社が報告してくれるデータはどれも納得感があり、弊社が感じていた「このセグメントは反応がよさそう」という感覚的なものと、すり合わせしてくれましたよね。御社のロジックと弊社のマーケット感覚をうまく融合させられたので、丁寧でありながら力強くセールスをスタートしていただいたと思います。
3.ターゲットの属性や相性から逆算したセールス手法の取捨選択とPDCAの実行
- 長谷川:
- 松﨑様からご依頼をいただいたのが2020年の初頭で、春先には具体的な業務をスタートさせていただきましたね。
- 松﨑:
- ちょうどコロナ禍が始まるタイミングでした。人が一気にオフィスに行かなくなって従来のアプローチ手法が通用しなくなった時期だったので苦労も多かったと思います。そのような状況でも、あらゆる手段を使って業務を遂行し、成果をあげてくださったのが印象的でした。
- 長谷川:
-
たしかに当時は電話をかけてもオフィスにほとんど人がいない状況で、アポイント取りは難航しました。ただ営業の方法は1つではないので、メール配信ソフトを使ってメールの開封率を追いかけたり、URLをクリックした方に対して優先的にアプローチしたり、できる限りの工夫を行いPDCAを回しました。その中で、フォームを使ったメール投函が成果につながりそうだと分かったため、徹底して行いました。
当時は特殊な時期でしたが、たとえ平常時であってもサービスの内容やターゲットの属性を見極めて適切な営業手法を選ぶのは当然のことです。ただ今回のように、ターゲティングなどの戦略部分からトランク様と一緒にPDCAを回させていただけたからこそ、アジャイルに適切な手段へたどり着くことができ、成果につなげられたと思っています。
- 松﨑:
- 一般的には「電話のアウトバウンド業務のみ」「メールでの営業代行のみ」など特定の営業手段を専業とする営業代行会社も多いように思いますが、プロセルトラクションさんはどのような方法にも対応されていて、なおかつ選択した方法をドラスティックに実行する姿勢にもプロフェッショナルを感じました。その結果として、弊社だけでは行き届かない多くのお客様にアプローチして生の声を集めてくれたことが、最も感謝しているポイントです。

4.VOCからサービス改善のエッセンスを抽出し、さらに事業のグロースハックを推進する
- 長谷川:
- ユーザー様からの声、つまりVOCを大切にするのは弊社の基本理念の1つなので、お褒めの言葉をいただいて嬉しく思います。私どもは、顧客からの高評価も、ときには厳しいご指摘も、包み隠さずにご報告するようにしています。改善の要望や類似した競合サービスとの比較結果を聞けば聞くほど、より営業結果を高めるための工夫が生まれたり、プロダクトやサービスの改善点が浮かび上がったりするからです。
- 松﨑:
-
弊社が一番知りたかったのも、まさに「肌感覚」なんです。新規サービスを立ち上げて、顧客または見込み客がどのように感じてくださっているのか。自分たちが直接営業するリソースがなかったからこそ貴社から報告される情報は貴重でした。
もちろん何件の電話をかけて、何件のアポイントを確認したかなど定量分析も大切です。ただし、数字には現れないお客様の「生の声」「純粋な評価」など定性的な情報にこそ真実が隠れていると考えていました。だから長谷川さんたちも、そうした情報を大切にしてくださったのはありがたいことであり、嬉しいことでもありました。
- 長谷川:
- トランク様はVOCから得られた情報をもとに、さらにサービスを磨き込まれていきましたね。お客様である企業からニーズの高い機能、UIなど改良される姿勢は素晴らしいと思いながら拝見していました。受注獲得できたユーザー様からは、ご自身たちでフィードバックを受けて、サービス改善に生かされていましたね。
- 松﨑:
- その声が多ければ多いほど、サービス改善の精度も上がると思っています。仮に最初の筋がよくても、その後の改善スピードが遅ければマーケットから取り残されてしまうかもしれない。グロースハックの考え方と実践は重要です。そのために、特に立ち上げフェーズでは踏み込んでヒアリングできるお客様の存在が重要です。それもプロセルトラクションさんが初期段階の受注獲得を強力にサポートしてくれたおかげです。ときには、より多くのお客様に採用していただくための課題も見えてきますが、その解像度が上がります。
- 長谷川:
- 以前に受注獲得後の1社あたりのLTVも上げていきたいとお話しされていましたが、その見通しはいかがですか。
- 松﨑:
- まずはさらにプロダクトやマーケティングを磨きこんで、クロスセルやアップセルも仕掛ける必要があるでしょう。もう1つは顧客ターゲットの拡大で、従来のフィールドであるEC事業者様に加えて、異なるカテゴリーの企業からもお問い合わせ、受注をいただくケースが増えてきました。また社内で新たな営業戦術が必要になったら、長谷川さんに相談させていただいて営業支援をお願いするかもしれません。
- 長谷川:
- ぜひご連絡ください。また新たにリードを獲得する施策を実施したい、特定のセグメントに集中してアプローチをかけたい、短期のスパンで依頼したいなど、柔軟に対応いたします。トランク様の「CARAETO LOGI」はまだまだ多くの企業様に広げていく意義があると、弊社としても思い入れを持っておりますので、お手伝いさせてください。
- 松﨑:
- ありがとうございます。改めて、BtoB事業を成り立たせる道筋を探っていた段階を経て、新たな中核事業として伸ばしていけると確信できるようになったのは当時の御社のサポートがあったからです。こちらこそぜひまた宜しくお願いいたします。
- 長谷川:
- 嬉しいご評価をいただき、本当にありがとうございます。今後もさまざまな形で、御社のさらなる発展に向けてサポートさせて頂ければと思います。