転職活動の面接で必ずと言っていいほど聞かれるのが、転職理由です。
営業職やマーケティング職で転職を考えている人は、転職後にサービスや製品の売上にかかわる仕事をするので、やはりポジティブに伝える言い方を心がけたいもの。
必ず聞かれるということは、回答の例文をよく読んで準備しておくのが大切です。
この記事では、営業職やマーケティング職の転職理由の例文をご紹介します。
人によって転職理由は様々ですので、例文を転職理由別にピックアップしました。
目次
転職理由の例文
転職理由別の例文を紹介していきます。例文と合わせて、良い例文である理由も解説しています。
他職種へ挑戦するとき
<例文>
「これまでシステムエンジニアとして開発業務を担当してきましたが、3年前にシステム開発のプロジェクトリーダーを任されました。
この経験から問題を乗り越えるためにメンバー全員と一致団結するときに、自分の力を最大限発揮できると分かりました。
今後は企画力やマネジメント力などを磨くために、たくさんの人と関わる立場で仕事がしたいと考え、IT業界のマーケティング職への転職を決意しました」
解説:転職する企業に関連する経験やスキルを有していることを伝えつつ、自分の新たな挑戦を前向きに伝える
新たな挑戦をするときに、これまでの経験を否定的にとらえないことがポイントです。自分の強みを「より活かせる仕事がこの仕事だと思う」という目指していることを伝えましょう。
ライフワークバランスを適切に保ちたい
<例文>
「前職では新卒のときから重要な仕事を任せていただき、やりがいを感じていました。ただ恒常的にマンパワーが不足しており、朝8時から夜12時まで働く状況が続いていました。仕事自体は今でも魅力的に感じているのですが、父の体調が思わしくなく介護にも時間をかけたいと思い、転職を決意しました」
解説:長時間労働の具体的な数字を伝えつつ、仕事内容は前向きにとられていたことをアピール。さらにその勤務が継続できなくなった理由を添える
これまでの勤務先を悪く言うのではなく、自分の状況にマッチしなくなったと客観的に伝えるのが得策です。転職する際にも、どのような勤務条件ならワークライフバランスが適切に保てるのか交渉しやすくなるはずです。
スキルアップ・キャリアアップを目指しているとき
<例文>
「営業職には自分の適性があると思いますし、やりがいも感じています。ただ数字を追いかけるあまり、お客さまの声を聞く機会が少なくなっていたことに物足りなさを感じていました。
御社では、お客さまと長期的な関係を築くことが重視されるとお聞きし、入社を志望しました。これまで培ってきた提案力を活かし、お客さまのニーズと課題をくみ取り、適切な改善ができる人材として活躍できると確信しております。」
解説:直接的に「不満」という言葉を使わず、転職したほうが自分の長所を活かせることをアピールする。また相手先企業が自分の進みたいベクトルと一致していることを伝える
「スキルアップ・キャリアアップ」したいというのは、あくまでも求職者側の都合です。それを直接的に伝えても、企業側にはメリットに思えません。自分を採用することが、どうビジネス拡大につながるのかをイメージさせるように意識してください。
待遇アップを図りたいとき
<例文>
「前職では残業が多いために、資格取得の勉強など自己投資する時間が確保できませんでした。●●士の資格を取得されている方は、御社でも多く活躍されているとお聞きしています。
従来のスキルに満足せず、スキルの開発を続けたいと思っています。」
解説:金額を聞かれていない状態で給与面の話に触れるのは、面接官によっては印象が悪くなる恐れがあります。ただし資格取得やスキル開発に取り組みたいという気持ちは、ポジティブです。業務に関連性の深い資格や免許を取得すると、結果的に給与がアップすることも珍しくないため、効果的な伝え方といえます。
転職後に活躍したいから、資格取得に取り組むという動機が明快であるため、受け入れられやすいでしょう。
将来性のある会社に行きたいとき
<例文>
「マーケティング職を務めていましたが、経営方針の変更でITマーケティング事業が縮小され、別部署に異動となりました。ITサービスの将来性を実感していたため、引き続きIT企業向けの提案ができる転職先を探していました。御社の●●はまさにこれから伸びていくサービスだと感じています。私のIT向けのマーケティング経験を、御社の事業拡大に活かしたいと考えております」
解説:将来性を感じているといわれて嫌な思いをする企業は少ないはずです。自分のやりかったことを実現する環境があることを熱意をもって伝えるのが有効です。
将来性の有無は、あくまでも主観的な判断であることも忘れずに。面接官のほうが社内の情報をもっているため、将来性について議論するのは適切ではありません。入社後に自分が何を実現したいのかが、メインテーマになっているのもポイントです。
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入社後の定着と活躍をイメージさせる答え方をする
すべての例文に共有している考え方は、面接で面接官が確認したいことは何かを計算していることです。
具体的には「入社後にこの人は定着できるか、活躍できるか」の2点にしぼられているといってよいでしょう。
面接官の不安を払しょくし、入社後に活躍する期待を持ってもらうよう、転職理由を語ることが大切です。
入社後に定着できるか確認する
転職回数が多い方は「当社でもすぐ退職してしまうのでは」などと思われがちです。企業側が社員採用にかかる費用は、社員が受け取る給与よりもはるかに大きなものです。
入社後に自社をすぐに退職しないか、見定めようと「転職の本当の動機」を聞きたがる傾向にあります。
回答が「建前」「よそ行き」だと捉えられないように、本音を話しつつも常にポジティブな表現を心がけます。
不平不満は御法度です。
入社後に活躍できるか確認するため
活躍できるかは、実際に働いてみなければわかりません。しかし採用担当者が、活躍する確率の高そうな人材を好むのは当然といえるでしょう。
仕事に対する姿勢を確認した上で、入社後に活躍できるかを突き止めようとします。
求職者としては、現在のスキルが求められる人物像にマッチしていることをアピールするのはもちろん、今後の伸びしろを感じさせるのが重要です。
転職理由の例文のポイント
転職理由の内容や伝え方次第で、面接官に好印象を与えます。
上手に答えるための4つのポイントを解説します。
具体性
転職理由は、具体的で分かりやすく伝えましょう。数字を盛り込む、自分が経験した具体的なエピソードを盛り込むことも大切です。
また担当したプロジェクトや仕事内容を語っても、同業他社にも中身は伝わりづらいものと心得ましょう。
そこで何を学び、それが今後どう活かせるかも、具体的に話してください。
前向きさ
できるだけ自信を持って明るく答えましょう。特に営業職は、前向きに感じさせる能力も大切です。
転職を決断した理由の中には、前向きでない理由があっても構いません。それをプラスにいい換えて、前向きな言葉で伝えましょう。
採用する側のメリット
志望動機や転職理由を聞かれたら、転職したい自分自身が主語になります。ただし、自分の都合ばかりを話すのではなく、企業側にとって採用したくなる理由を添えましょう。
採用面接とは、求職者側の営業活動そのものともいえます。特に営業職で活躍したいと考えている方は「自分自身」という商品を買ってもらう方法を考えてください。
一貫性を持たせる
志望動機と転職理由に矛盾が生じないようにしましょう。
「なぜ転職したいのか」と「なぜ自社なのか」という2つの理由が一貫していると、より説得力を高めます。
営業職志望者が面接で伝えたいこと
営業職の面接は、自分の強みをアピールする場でもあります。
面接官に伝える強みとは、応募企業の業務でも発揮できる能力のことです。
営業職の人材として、能力を伝える方法を3つ解説していきます。
目的達成意欲の強さ
面接官としては、自社に貢献できる人材かどうか判断することも大切です。
ノルマなどの目的達成意欲の強さをアピールすることも欠かせません。
会社のノルマを達成した実績や、自分で目標を設定し、それを達成した経験を伝えましょう。
忍耐力の強さ
高額な商材を扱う営業などは、1件の成約のインパクトが大きいものの断られてしまうことがほとんどです。
断られてもすぐに切り替えて次に進む忍耐力が、営業には必要とされます。
面接では、忍耐力の強さをアピールするといいでしょう。
自分の忍耐力が、売上にどのように貢献できるか説明することも重要です。
対応力の高さ
営業は、様々な場面で対応力が求められます。
クレーム対応、メールや電話に対する素早い対応、商談の状況に応じた対応など、スムーズに対応することで、顧客の信頼を獲得できるからです。
対応力の高さをアピールすることは、顧客との信頼関係を大切にする人材であることも評価してもらえます。
営業職が使ってはいけない転職理由
面接官に悪い印象を与える転職理由は避けましょう。
3つありますので、それぞれ解説していきます。
虚偽の理由を述べる
面接官に好感を持ってもらえるように、うその転職理由を考えてしまう人がいます。
転職理由でうそをついても、よいことはまずありえません。入社後に虚偽の申告が判明したら、懲戒処分の対象になる可能性もあります。内容によっては退職しなければならなくなるでしょう。
調べれば真実がわかるような虚偽報告、申告は厳につつしみましょう。
ネガティブな表現
転職理由を答える時、ネガティブな表現は使わないようにしましょう。
面接官が転職理由を聞くのは、自社に合った人材を獲得したいからです。社内の人材にネガティブな影響が及ぶことはだれしも避けたいもの。
ネガティブな表現をポジティブな表現に修正して答えましょう。
人間関係の問題
どんな会社でも人間関係の問題は起こり得ます。パワハラのようなケースを除けば、人間関係がうまくいかないときは、双方に課題があるものと捉えられがちです。
したがって人間関係を退職理由にあげるような人材は、入社後にまた新たな人間関係の問題を発生させると敬遠されてもおかしくありません。
仮に前職の人間関係が思わしくなかったとしても、自分の軸で将来のキャリア像を話すなど、未来の話題に転換しましょう。
効果的に転職理由を伝えてマーケティング・営業の転職を成功させよう
営業職やマーケティング職で意識したいのは、前向きでポジティブであること。その場しのぎの演技ではなく、日頃から前向きな受け答えを実践して、面接での回答をイメージしておきましょう。
紹介した例文も参考にして、自分なりの「採用したくなる」回答を確立してください。
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