医療DX SaaSのターゲット設計と売上に訴求するトークで、期待以上のアポ・受注を獲得
1. 事例サマリー
| クライアント規模 | スタートアップ |
|---|---|
| クライアント業種 | 医療・ヘルスケア |
| 事業フェーズ | 新規事業立ち上げ |
| 対象プロダクト | ・医療機関向けオンライン診療サービス ・医療現場向けキャッシュレス決済SaaS |
| 提供ソリューション | インサイドセールス(BDR)/フィールドセールス/カスタマーサクセス |
| 直面していた課題 | ①従量課金モデルで、契約獲得だけでは事業成長につながらない ②医療機関のDX受容度・診療スタイルによってフィット度合いが大きく異なる ③現場スタッフへの意義浸透なしでは、利用が定着しない |
| 実施した施策 | ①クリニックタイプ別のセグメント設計と優先順位付け ②「導入で医院の売上が上がる」訴求への切り替え ③院長×現場スタッフ、両方へのアプローチ設計 ④CSによる意義浸透+オンボーディング〜運用支援 |
| 主要な成果 | ①目標以上の受注数を達成 ②複数プロダクトへの継続支援を実現 ③既存事業からの通算で2年超の長期パートナーシップを構築 |
2. ご依頼の背景:3つのボトルネック
クライアントは、医療機関向けのオンライン診療SaaSを展開する、ヘルスケア領域のスタートアップ企業様です。
選定にあたっては、以下の点をご評価いただきました。
- インサイドセールス〜フィールドセールス〜カスタマーサクセスまで一気通貫で担える体制
- 人材要件を先方の面談まで含めてクリアしたメンバーをアサインする、クオリティ担保の運用スタイル
クライアントの課題としては以下の通りです。
2-1. 従量課金モデルで、契約獲得だけでは事業成長につながらない
支援プロダクトは従量課金モデルのため、契約後に現場で「実際に使ってもらえる」状態まで持ち込まないと、事業成長・売上に直結しません。単なるアポ獲得や契約数だけを追う営業設計では、事業KPIを満たすことができない構造がありました。
2-2. 医療機関のDX受容度・診療スタイルによってフィット度合いが大きく異なる
「オンライン診療」というプロダクト特性上、対面で肉眼で診察することが必要な診療科(例:整形外科など)や、訪問診療前提のクリニックにはフィットしません。逆に、以下のような特性を持つクリニックであれば、高い相性が見込めます。
- 直接診療せずとも十分な症例を扱っている
- 都心エリアで、忙しい患者層が通うクリニック
- DXへの抵抗感が低いクリニック
フィット度合いを見極めた上でセグメントごとに優先度をつけないと、営業効率が著しく低下する構造がありました。
2-3. 現場スタッフへの意義浸透なしでは、利用が定着しない
医療機関の意思決定では、院長の合意だけでは実際の利用に至らないケースが多くあります。実際にサービスを使う現場のスタッフや医師が「なぜこのサービスを使うのか」を腹落ちして初めて、利用が定着します。この浸透工程がなければ、契約はしたが使われないというリスクがある構造でした。
3. 実施した4つの営業戦略
3-1. 【戦略①】クリニックタイプ別のセグメント設計と優先順位付け
まず、フィットするクリニック像を明確に定義したうえで、セグメントごとに優先順位を設定しました。
| 優先度 | クリニックの特性 |
|---|---|
| 最優先セグメント | 直接診療せずとも十分な症例を扱っているクリニック/都心エリアの忙しい患者層向けクリニック/DXへの抵抗感が低いクリニック |
| 後回しセグメント | 肉眼診察が必須の整形外科など/訪問診療前提のクリニック |
セグメント設計を初期段階で確立することで、単価×確度で見た営業効率を最大化しました。
3-2. 【戦略②】「導入で医院の売上が上がる」訴求への切り替え
医療機関の意思決定は、コスト削減や業務効率化だけではなかなか進みません。一方で、「導入によって医院自体の売上が上がる」という切り口は、経営者層である院長にとって強い意思決定材料となります。
そのため、以下のような訴求設計を行いました。
- 導入によって新規患者・リピート患者の獲得につながる仕組みを可視化
- 従来の非対面診療ニーズの取り込みによる収益機会の説明
- 導入クリニックでの実データを踏まえた収益改善事例の提示
これにより、「経営に効く」ソリューションとして意思決定を後押しできる状態を作りました。
3-3. 【戦略③】院長×現場スタッフ、両方へのアプローチ設計
院長が合意しても、現場スタッフに前向きに検討いただかないと利用は定着しません。そのため、営業プロセスの中で、意思決定者である院長と、実際に使う現場スタッフの双方にアプローチする設計を組み込みました。
- 院長向け:経営視点での売上・収益効果訴求
- 現場スタッフ向け:業務フローへの組み込み方、負担軽減、患者へのメリット
両者の腹落ちを揃えることで、契約から利用、定着までのハードルを下げました。
3-4. 【戦略④】CSによる意義浸透+オンボーディング〜運用支援
契約後の利用定着フェーズでは、カスタマーサクセスがオンボーディングから運用支援までを担いました。特に力を入れたのが、「なぜオンライン診療を導入するのか」の意義の現場浸透です。
- オンライン診療によって救うことのできる患者様が確実にいる、という意義を訴求
- 現場スタッフが自然にサービスを使いこなす体制構築
- 導入後の運用課題を継続的にフォローし、利用率を向上
CSが単なる問い合わせ対応ではなく、「利用の定着を通じてクライアントの事業KPIを共に達成するパートナー」として機能する運用を確立しました。
4. 導入効果
4-1. 定量的な成果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 受注数 | 目標以上の件数を継続的に達成 |
| 支援領域 | オンライン診療サービスから、別プロダクトへ拡張 |
| 支援期間 | 既存事業から新規事業まで、通算2年超の長期伴走を実現 |
4-2. 定性的な成果
- 目標以上の受注数を達成し、新規事業立ち上げに貢献
- 契約後の利用定着まで含めたCS運用により、従量課金モデルでの事業成長を実現
- オンライン診療SaaSに続き、医療機関向けキャッシュレス決済SaaSも継続してご依頼いただき、複数プロダクトでのパートナーシップを構築
- 医療DXの現場浸透を通じて、「オンライン診療で救える患者様の増加」という社会的な意義への貢献
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. 医療機関向けサービスの支援実績はありますか?
A. オンライン診療SaaSをはじめとする医療機関向けサービスにおいて、複数年にわたる伴走実績があります。医療機関特有の意思決定構造(院長×現場スタッフ)や、フィット度合いによるセグメント設計など、業界特性を踏まえた営業設計に強みがあります。
Q. 従量課金モデルの場合、営業設計はどう変わりますか?
A. 契約獲得だけでなく、「契約後に実際に使ってもらう」ところまでを設計に組み込みます。特にCS(カスタマーサクセス)フェーズでの意義浸透・オンボーディング・運用支援を含めた一気通貫の体制で、事業KPIそのものを共に達成する設計にしています。
Q. 医療機関では院長と現場スタッフのどちらにアプローチすべきですか?
A. 両方が正解です。院長が意思決定者ですが、現場スタッフが前向きに使いこなさなければ、契約は「使われない状態」になります。院長には経営視点、現場スタッフには業務視点で異なる訴求を並行して行うことで、利用の定着まで実現します。
Q. カスタマーサクセスではどのような支援を行いますか?
A. オンボーディングから運用支援まで、CS全般をカバーします。特に医療機関では「なぜこのサービスを使うのか」の意義浸透が定着の鍵となるため、単なる問い合わせ対応にとどまらず、現場が腹落ちして使い続けられる体制を構築します。