高齢者向け住宅のマッチングサービスで、成約につながる掲載施設を開拓
1. 事例サマリー
| クライアント規模 | 中堅企業 |
|---|---|
| クライアント業種 | 不動産 / 福祉・介護 / 医療・ヘルスケア |
| 事業フェーズ | 既存事業拡大 / Growth |
| 対象プロダクト | 高齢者向け住宅の入居希望者と、施設運営者をマッチングするサービス 老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの入居型施設が対象 成約時に紹介料を得る収益モデル |
| 提供ソリューション | 掲載施設の新規開拓営業 |
| 直面していた課題 | ①成約課金モデルのため、掲載数だけを増やしても収益につながらない ②施設側の温度感が、空室状況によって大きく変動する ③運営法人の規模によって、意思決定の主体が異なる |
| 実施した施策 | ①成約につながりやすい施設の条件を定義し、優先順位を設定 ②空室状況とエリア需要に応じたアプローチ設計 ③法人本部と個別施設のどちらに当たるかを、運営規模で切り分け |
| 主要な成果 | ①掲載施設を新たに獲得 ②掲載数ではなく成約に接続する開拓の基準を確立 ③運営規模に応じたアプローチ先の切り分けを整理 |
2. ご依頼の背景:3つのボトルネック
クライアントは、高齢者向け住宅を探されている方と、施設の運営者をマッチングするサービスを展開している企業です。老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった入居型の施設が対象で、入居が決まった際に紹介料をいただく収益モデルです。
サービスの価値は掲載施設の充実度に直結するため、掲載施設の新規開拓をご依頼いただきました。
選定にあたっては、以下の点をご評価いただきました。
- 成約課金モデルにおいて、量だけでなく質を意識した開拓設計ができること
- 施設・法人という特有の意思決定構造を踏まえたアプローチができること
クライアントの課題としては以下の通りです。
2-1. 成約課金モデルのため、掲載数だけを増やしても収益につながらない
このサービスは、入居が決まってはじめて収益が発生します。つまり掲載施設の数を増やすことと、事業の収益が伸びることは、必ずしも一致しません。
入居希望者にとって選ばれにくい施設をいくら掲載しても、成約には至らず、掲載数というKPIだけが積み上がる構造がありました。
2-2. 施設側の温度感が、空室状況によって大きく変動する
施設運営者にとって、入居者の募集は常に必要とは限りません。空室が埋まっている時期は掲載の必要性を感じず、空室が出た時期には急に必要になるという変動があります。
同じ施設でも、当たるタイミングによって反応がまったく異なるという難しさがありました。
2-3. 運営法人の規模によって、意思決定の主体が異なる
複数の施設を運営する法人では、掲載の判断が本部に集約されている場合があります。一方、単独運営の施設では、施設長が直接判断します。
誰に話すべきかが運営規模によって変わるため、一律のアプローチでは決裁者に届かない構造がありました。
3. 実施した3つの営業戦略
3-1. 【戦略①】成約につながりやすい施設の条件を定義する
掲載数ではなく成約数を目的に置き、そこから逆算して優先すべき施設の条件を整理しました。
- 入居希望者の検索需要が高いエリアに立地しているか
- 提供している介護度・サービス内容が、検索されている条件と合っているか
- 価格帯が、そのエリアの相場のなかで検討されうる水準にあるか
「掲載してもらえる施設」ではなく「掲載すれば決まる施設」から当たるという順序に変えました。
3-2. 【戦略②】空室状況とエリア需要に応じてアプローチを設計する
温度感が時期によって変わることを前提に、当たり方を組み立てました。
- 空室が出やすい時期・タイミングを踏まえた接触の設計
- 一度お断りいただいた施設も、状況の変化を見込んで再度アプローチする対象として管理
- エリアの需給バランスを踏まえ、入居希望者が多い地域の施設を優先
一度の接触で決めようとせず、必要になったタイミングで思い出していただける関係をつくることを前提にしています。
3-3. 【戦略③】運営規模で、当たるべき相手を切り分ける
運営法人の規模によって、アプローチ先を変えました。
- 複数施設を運営する法人:本部の意思決定者に対して、法人単位での掲載を提案
- 単独運営の施設:施設長に対して、その施設の入居状況を起点に提案
法人単位で決まれば複数施設が一度に掲載されるため、規模の大きい法人への提案は、成果への寄与が大きいという前提で優先度を設計しています。
4. 導入効果
- 掲載数ではなく成約に接続する条件を開拓基準として定義したうえで、新規の掲載施設を獲得
- 成約課金モデルにおいて、量と質のどちらを追うべきかの基準を明確化
- 施設と法人という二層の意思決定構造に対し、運営規模に応じた決裁者の当たり分けを整理
- 温度感が時期で変動する商材について、再アプローチを前提とした管理設計を確立
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. 成約課金モデルの場合、営業設計はどう変わりますか?
A. 掲載数や契約数といった中間指標ではなく、その先の成約に接続するかどうかを基準に置きます。本事例では「掲載してもらえる施設」ではなく「掲載すれば決まる施設」から当たる順序に変え、開拓の優先順位そのものを再設計しました。
Q. 相手の温度感が時期によって変わる商材には、どう対応しますか?
A. 一度の接触で決めようとせず、再アプローチを前提とした管理設計にします。お断りいただいた理由と時期を記録し、状況が変わるタイミングで再度接触できる状態をつくります。断られた時点で終わりにしないことが、この種の商材では重要です。
Q. 施設と本部のどちらにアプローチすべきですか?
A. 運営規模によって切り分けます。複数施設を運営する法人では掲載の判断が本部に集約されていることが多く、法人単位での提案が有効です。単独運営の場合は施設長が直接判断されるため、その施設の入居状況を起点にお話しします。
Q. マッチングプラットフォームの掲載開拓の実績はありますか?
A. 高齢者向け住宅のほか、不動産、人材、BtoBサービスなど、複数の領域でマッチングプラットフォームの掲載側・出稿側の開拓を担ってきました。成約課金モデルにおいては、量を追うだけでは収益に接続しないという構造が共通しているため、その前提での設計を得意としています。