組織サーベイのカスタマーサクセスで、回答促進から分析レポート・横展開までを担当
1. 事例サマリー
| クライアント規模 | 大企業 |
|---|---|
| クライアント業種 | 人材 / IT・通信 |
| 事業フェーズ | 既存事業拡大 / Growth |
| 対象プロダクト | 従業員に定期的に回答してもらう組織サーベイ(パルスサーベイ・モチベーションサーベイ) 回答結果から組織やコンディションの変化を捉えるサービス |
| 提供ソリューション | カスタマーサクセス(オンボーディング/回答促進の設計/分析レポート・報告/アップセル提案) |
| 直面していた課題 | ①回答が集まらなければ、サービスの価値そのものが成立しない ②導入した部門だけで完結し、他部門へ広がらない ③結果データを渡すだけでは、顧客の次の打ち手につながらない |
| 実施した施策 | ①キックオフのオンボーディングで、導入の意義を関係者に共有 ②回答を促す仕組みと働きかけを設計 ③結果を分析し、示唆を含むレポートとして報告 ④他事業部門・他職種への展開を提案 |
| 主要な成果 | ①回答率を確保し、サービスが機能する状態を維持 ②結果の分析と報告により、顧客の意思決定を支援 ③導入部門から他部門・他職種への横展開を実現 |
2. ご依頼の背景:3つのボトルネック
クライアントは、従業員に定期的に回答いただく組織サーベイを提供されている大企業です。回答結果から組織の状態や個々のコンディションの変化を捉え、マネジメントに活かしていただくサービスを運営しています。
このサービスのカスタマーサクセスについて、キックオフのオンボーディングから運用支援、分析レポートの作成・報告までをご依頼いただきました。
選定にあたっては、以下の点をご評価いただきました。
- 過去にカスタマーサクセスでのお取り組み実績があったこと
- レポートの作成にとどまらず、示唆の提示や横展開の提案まで担えること
クライアントの課題としては以下の通りです。
2-1. 回答が集まらなければ、サービスの価値そのものが成立しない
組織サーベイは、従業員に回答してもらってはじめてデータが生まれます。導入されても回答率が上がらなければ、分析するデータそのものが揃わず、価値が出ません。
しかも回答するのは顧客企業の従業員の方々であり、こちらから直接働きかけることが難しい構造があります。
2-2. 導入した部門だけで完結し、他部門へ広がらない
多くの場合、まず特定の部門で試験的に導入されます。しかしそこで完結してしまうと、組織全体を捉えるという本来の価値が発揮されません。顧客にとっても、契約規模が広がる余地が活かされないままになります。
2-3. 結果データを渡すだけでは、次の打ち手につながらない
サーベイの結果を集計して渡すだけでは、顧客は「で、どうすればいいのか」という問いに直面します。数字が出ても、そこから何を読み取り、どう動くべきかが分からなければ、継続の理由になりません。
3. 実施した3つの営業戦略
3-1. 【戦略①】キックオフのオンボーディングで、導入の意義を共有する
回答率は、運用の技術以前に「なぜこれに答えるのか」が伝わっているかで大きく変わります。そのため、キックオフの段階で関係者に導入の意義を共有することから始めました。
- 何のために実施するのか、結果がどう使われるのかを明示
- 回答者にとって不利益にならないことの説明
- 現場の管理職に対する、結果の受け取り方の共有
3-2. 【戦略②】回答を促す仕組みと働きかけを設計する
意義が共有されたうえで、実際に回答が集まる運用を設計しました。
- 回答依頼のタイミングと頻度の設計
- 未回答者へのリマインドの方法と、その負担にならない設計
- 回答状況のモニタリングと、低下時の早期の働きかけ
回答率という数字を、運用でコントロールできる対象として扱ったことが、サービスが機能し続ける前提になりました。
3-3. 【戦略③】分析レポートで示唆を提示し、横展開まで提案する
集まった結果を、そのまま渡すのではなく分析したうえで報告しました。
- 部門別・属性別の傾向と、前回からの変化
- 注視すべき兆候と、その背景として考えられる要因
- 次に取りうる打ち手の候補
さらに、導入部門での成果をもとに、他の事業部門や他の職種への展開をご提案しました。「この部門ではこう機能したので、同じ課題を持つ別の部門でも使えるのではないか」という形で、活用範囲を広げています。
4. 導入効果
4-1. 定量的な成果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 回答率 | サービスが機能する水準を確保 |
| 展開範囲 | 導入部門から他事業部門・他職種へ拡大 |
4-2. 定性的な成果
- 回答率という、直接コントロールしづらい指標を運用で扱える対象に変換
- データを渡すのではなく、次の打ち手まで提示する報告の型を構築
- 導入部門での成果を根拠にした、他部門への横展開の提案プロセスを確立
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. サーベイ系サービスのカスタマーサクセスで、最も重要な点は何ですか?
A. 回答率です。回答が集まらなければ分析するデータが揃わず、サービスの価値そのものが成立しません。キックオフでの意義共有から、依頼のタイミング設計、未回答者への働きかけまでを含めて、回答率を運用で扱える対象として設計します。
Q. レポートはどこまで作成しますか?
A. 集計結果をお渡しするだけでなく、部門別・属性別の傾向、前回からの変化、注視すべき兆候とその背景、次に取りうる打ち手の候補までを含めた形で作成し、報告まで行います。
Q. アップセルの提案まで依頼できますか?
A. はい。本事例では、導入部門での成果をもとに、他の事業部門や他の職種への展開をご提案しました。既存の運用状況を最もよく把握しているのがカスタマーサクセスであるため、横展開の提案は自然な流れとして組み込めます。
Q. カスタマーサクセスの体制はどのように立ち上げますか?
A. まず業務の流れを定義し、誰が何をどのタイミングで行うかを設計したうえで、担当者をアサインします。オンボーディング、定常運用、レポート作成といった工程ごとに手順を整えるため、担当者が変わっても品質を維持できる状態にします。