クラウドインフラSaaSの掘り起こし営業で、業界水準超の商談獲得率を達成
1. 事例サマリー
| クライアント規模 | スタートアップ |
|---|---|
| クライアント業種 | IT・インフラ(AIスパコンクラウド/高性能CPUクラウドプロバイダー) |
| 事業フェーズ | 既存事業拡大期(市場需要の急拡大局面) |
| 対象プロダクト | AI開発・解析の基盤となるAIスパコンクラウドおよび高性能CPUクラウドサービス |
| 提供ソリューション | インサイドセールス(SDR) |
| 直面していた課題 | ①少数精鋭の営業組織で、マーケティングチームが片手間でSDR業務を兼務 ②展示会・セミナーで獲得したハウスリスト、休眠顧客、新規流入リードへの即時対応・継続追客のリソースが不足 ③専門性の高いインフラ商材を、ターゲットの用途に合わせて翻訳して訴求できる体制が不在 |
| 実施した施策 | ①新規流入リードへの「5分以内架電」体制を確立 ②休眠顧客への網羅的な掘り起こしを実施 ③研究機関・R&D部門の用途に応じた必要計算性能の個別分析から、用途特化型のスクリプトを展開 |
| 主要な成果 | ①短期間で多数の休眠顧客の掘り起こしを完了 ②目標を大きく上回る有効商談を創出 ③業界水準を大きく上回る商談獲得率を達成 ④顧客の生の声をプロダクト開発・マーケ施策へフィードバックする情報循環を構築 |
2. ご依頼の背景:需要急拡大に組織が追いつかない3つの壁
クライアントは、AIアプリケーションの動作基盤となるAIスパコンクラウドおよび高性能CPUクラウドを提供するスタートアップです。AI市場の急拡大に伴い、以下の3つの壁を解消するため弊社にご相談いただきました。
2-1. マーケ兼務SDR体制ではリードが受けきれない
展示会・Webセミナーを通じて多くのハウスリードを獲得していたものの、社内営業組織は少数精鋭。マーケティングチームが片手間でSDR業務を兼務する体制では、新規流入リードへの即時アプローチにまで手が回らない状況でした。
2-2. 休眠リードが膨大なまま放置されている
過去の展示会リスト、セミナー参加者、過去問い合わせ等の休眠顧客が多数蓄積されていましたが、定期的なフォローのリソースが確保できず、有望リードが手つかずで眠っていました。
2-3. 専門性の高い商材を「ターゲット用途」に翻訳する難しさ
AIスパコンクラウド・高性能CPUクラウドは、用途(ゲノム解析、流体シミュレーション、AI学習、レンダリング等)によって刺さるメッセージが大きく異なる商材です。ターゲットの用途に翻訳して訴求する型が未整備で、汎用的なトークではアポに繋がらない状況でした。
これらを解決するため、戦略策定から業界・用途別スクリプト最適化までを一気通貫で主導できる弊社へご依頼いただきました。技術的な専門知識を素早くキャッチアップし、個社ごとのニーズに踏み込める体制を有している点が、選定の最大の決め手です。
3. 実施した2つの営業戦略
定型的なテンプレートベースのアプローチを排除し、商材の専門性とターゲット特性に特化した2つの独自戦略を設計・実行しました。
3-1. 【戦略①】5分以内の初動対応と、休眠リードの徹底掘り起こし
マーケ兼務体制では不可能だった「スピード」と「網羅性」を担保するリソースを即座に投入しました。
| アプローチ対象 | 実施内容 |
|---|---|
| 新規流入リード(Web問い合わせ・資料ダウンロード) | 熱量が最も高い5分以内に即時架電を行うシフトを確立 |
| 休眠顧客(過去展示会/セミナー/問い合わせ) | 休眠顧客を網羅的にリスト化し、つながるまで時間帯を変えて複数回アプローチ |
新規流入リードに対する5分以内架電の体制定着により、リードの初期接触率を劇的に向上させました。
3-2. 【戦略②】用途を解剖する「逆算型アプローチ」と用途特化スクリプト
一般的な機能訴求では刺さりにくいインフラ商材に対し、ターゲットの計算用途から逆算してアプローチを設計しました。
具体的には、以下のステップで進めています。
- ターゲット用途の特定:研究機関・R&D部門の研究テーマや業界ベンチマークから、想定される計算用途を仮説化
- ボトルネック分析:当該用途における計算リソースのボトルネック(処理時間/メモリ/コスト等)を個別分析
- 必要計算性能の提示:「御社の◯◯処理であれば、◯時間から◯時間に短縮」など、1対1で合致する性能提示へ刷新
- AIによる業態別スクリプト生成:分析結果を基に、業態別の最適スクリプトをAIで生成
- 具体エビデンスの組み込み:削減時間や先進他社の活用事実をピンポイント訴求
| ターゲット用途 | 訴求の切り口(例) |
|---|---|
| ゲノム解析 | 解析時間の劇的短縮、複数サンプル並列処理によるスループット向上 |
| 流体シミュレーション | メッシュ精度を落とさず計算時間を短縮、大規模モデルへの対応 |
| AI学習・推論 | NVIDIA系GPU高騰下でのコスト最適化、必要なときだけスケールアウト |
| レンダリング | バッチ処理の高速化、納期短縮 |
4. 導入効果
4-1. 定量的な成果
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 支援期間 | 短期間で成果を創出 |
| 掘り起こし完了したハウスリスト・休眠顧客 | 蓄積されていた全リードを網羅的にアプローチ |
| 創出した有効商談数 | 目標を大きく上回る有効商談を創出 |
| 商談獲得率(アポ獲得率) | 業界ベンチマークを大きく上回る水準 |
| 新規流入リードへの架電スピード | 5分以内の即時架電体制を定着 |
4-2. 定性的な成果:顧客の生の声をプロダクト開発・マーケ施策へ還流
研究機関・R&D部門の現場が抱えるリアルな課題に深く踏み込んだヒアリングを実施したことで、質の高い顧客の声を大量に獲得しました。代表的な声を以下に挙げます。
- 「現在のオンプレミス環境の計算速度に限界を感じているものの、クラウド移行へのセキュリティ懸念がある」
- 「高性能GPUの高騰に伴い、他の計算基盤での代替可能性を模索している」
- 「短期的なバースト需要に対し、オンプレミスでは対応しきれない」
これらの声は、クライアントの次なるマーケティング施策や製品開発への貴重なフィードバックデータとして活用されています。SDRが「アポ獲得装置」に留まらず、事業の意思決定を支える情報循環の起点として機能している点も、本プロジェクトの大きな価値です。
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. 休眠リードからアポは本当に取れますか?
A. 本事例では、長期間放置されていた休眠顧客に対し、3ヶ月で網羅的に再アプローチを実施。結果として有効商談を創出し、業界ベンチマークを大きく上回る水準の商談獲得を達成しました。鍵は「つながるまで時間帯を変えて複数回アプローチする網羅性」と「用途特化スクリプト」の組み合わせです。
Q. 「5分以内架電」はなぜ重要なのですか?
A. Webからの問い合わせや資料ダウンロード直後は、顧客の検討熱量が最も高い瞬間です。時間経過とともに接続率・商談化率は急減するため、5分以内の即時架電体制は初期接触率を大きく向上させる打ち手として有効です。本事例ではマーケ兼務体制では不可能だったこのスピードを、専任SDRシフトの確立で実現しました。
Q. AIインフラのような専門性が高い商材でも、外部の営業代行で訴求できますか?
A. 弊社は商材の技術的詳細をクライアントエンジニアと密に擦り合わせ、ターゲットの計算用途(ゲノム解析・流体シミュレーション・AI学習・レンダリング等)に翻訳した訴求設計を行います。本事例では、用途別のスクリプトをAIで生成し、削減時間や先進他社の活用事実をピンポイント訴求することで、専門性ある商材でも刺さるトークを実現しました。
Q. SDR支援を依頼する際、社内側で準備が必要なことは何ですか?
A. プロダクト仕様の擦り合わせ、用途仮説のレビュー、ターゲットリストの共有が主な準備項目です。技術的な専門性は弊社側で素早くキャッチアップしますので、クライアントは戦略レビューと技術監修に集中いただける役割分担としています。
Q. 顧客の声をプロダクト開発に活かす仕組みはどう作りますか?
A. SDR架電時のヒアリング項目を構造化し、定期的に顧客の声を集約・分類してクライアントへフィードバックします。本事例では「セキュリティ懸念」「GPU高騰への対応」「バースト需要」など、次のマーケ施策・製品開発の意思決定に直結する声を継続的に共有しています。