新卒採用向けATSのカスタマーサクセスを担い、営業が獲得に集中できる体制を構築
1. 事例サマリー
| クライアント規模 | 大企業 |
|---|---|
| クライアント業種 | 人材 / IT・通信 |
| 事業フェーズ | 既存事業拡大 / Growth |
| 対象プロダクト | 新卒採用向けの採用管理システム(ATS) 既存の営業部隊が獲得した顧客への、導入後の支援が対象 |
| 提供ソリューション | カスタマーサクセス(オンボーディング/活用支援/問い合わせ対応) |
| 直面していた課題 | ①新卒採用は繁忙期が集中し、問い合わせが特定の時期に偏る ②導入しても使いこなせなければ、継続利用につながらない ③営業部隊が導入後の対応まで抱えると、新規獲得に集中できない |
| 実施した施策 | ①オンボーディングの進め方を標準化し、導入初期の立ち上がりを均質化 ②採用スケジュールに沿った活用支援を設計 ③問い合わせ対応の一次受けを担い、営業部隊の負荷を分離 |
| 主要な成果 | ①営業部隊が新規獲得に集中できる体制を構築 ②導入初期の立ち上がりを標準化し、活用の定着を支援 ③繁忙期に集中する問い合わせに対応できる体制を確保 |
2. ご依頼の背景:3つのボトルネック
クライアントは、新卒採用向けの採用管理システム(ATS)を提供している大企業です。既存の営業部隊が新規のご契約を獲得されており、その後のオンボーディングから活用支援、問い合わせ対応までを当社が担う形でご支援しています。
選定にあたっては、以下の点をご評価いただきました。
- カスタマーサクセスの体制を、業務設計から含めて担えること
- 人材・採用領域における業務理解があること
クライアントの課題としては以下の通りです。
2-1. 新卒採用は繁忙期が集中し、問い合わせが特定時期に偏る
新卒採用には明確な年間スケジュールがあり、エントリー受付から選考、内定出しまでの時期が各社でおおむね重なります。そのため、顧客からの問い合わせが特定の時期に集中します。
平常時の体制に合わせると繁忙期に対応しきれず、繁忙期に合わせると平常時は過剰になるという、体制設計の難しさがありました。
2-2. 導入しても使いこなせなければ、継続利用につながらない
ATSは導入して終わりではなく、実際に採用業務のなかで使われてはじめて価値が出ます。導入初期に立ち上がらないまま次のシーズンを迎えると、継続の判断に影響します。
2-3. 営業部隊が導入後の対応まで抱えると、新規獲得に集中できない
契約をお預かりした営業担当が、そのまま導入後の対応まで担うと、次の新規獲得に割ける時間が減ります。獲得と定着のどちらも中途半端になるという構造がありました。
3. 実施した3つの営業戦略
3-1. 【戦略①】オンボーディングの進め方を標準化する
導入初期の立ち上がりが、その後の活用状況を左右します。そこで、オンボーディングの流れを標準化しました。
- 初回の設定で確認すべき項目と、その順序を定義
- 顧客の採用規模・選考フローに応じた初期設定のパターンを整理
- 担当者が変わっても同じ品質で進められる手順として文書化
属人的な立ち上げをなくすことで、導入初期のばらつきを抑えました。
3-2. 【戦略②】採用スケジュールに沿った活用支援を設計する
新卒採用には決まった年間の流れがあります。その流れに合わせて、いつ何を使ってもらうべきかを先回りして案内する設計にしました。
- エントリー受付が始まる前に必要な設定
- 選考が本格化する時期に活用いただきたい機能
- 内定出し以降のフェーズで役立つ運用
顧客から問い合わせが来てから対応するのではなく、時期に応じてこちらから声をかける形にすることで、使われないまま終わる状態を防いでいます。
3-3. 【戦略③】問い合わせ対応の一次受けを担い、営業の負荷を分離する
導入後の問い合わせを当社が一次受けし、内容に応じて対応または引き継ぎを行う体制にしました。
これにより、営業部隊は新規獲得に集中できる状態になりました。繁忙期に集中する問い合わせについても、外部の体制で吸収することで、社内の人員計画に影響を与えない形にしています。
4. 導入効果
- オンボーディングから活用支援・問い合わせ対応までを担い、導入初期の立ち上がりを標準化して担当者による品質のばらつきを解消
- 採用スケジュールに沿った先回りの案内により、活用の定着を支援
- 導入後の対応を営業部隊から分離し、獲得と定着それぞれに集中できる体制を構築
- 時期に集中する繁忙期の問い合わせを吸収できる体制を確保
5. よくあるご質問(FAQ)
Q. カスタマーサクセスだけを依頼することはできますか?
A. 可能です。本事例のように、既存の営業部隊が新規獲得を担い、その後のオンボーディングから活用支援・問い合わせ対応までを当社が担う形でのご支援を行っています。獲得と定着の役割を分離することで、それぞれに集中できる体制になります。
Q. 問い合わせが特定の時期に集中する商材にも対応できますか?
A. 対応しています。新卒採用のように年間スケジュールが決まっている領域では、繁忙期と平常時で必要な体制が大きく変わります。平常時の人員に合わせると繁忙期に対応できず、繁忙期に合わせると過剰になるため、外部の体制で変動分を吸収する形が有効です。
Q. オンボーディングではどこまで支援しますか?
A. 初回の設定確認から、顧客の採用規模・選考フローに応じた初期設定、運用開始までを担います。進め方を標準化しているため、担当者が変わっても同じ品質で立ち上げられる状態を維持しています。
Q. 活用が定着しない顧客には、どう対応しますか?
A. 問い合わせを待つのではなく、時期に応じてこちらから声をかける設計にします。本事例では、採用の年間スケジュールに沿って「いま設定すべきこと」「この時期に使っていただきたい機能」を先回りして案内し、使われないまま次のシーズンを迎える状態を防いでいます。