ITツールの進化やグローバルビジネスの拡大に伴い、営業のアプローチ方法に関しても多くの変化が見られるようになりました。全体的な傾向として、営業パーソン個人の感覚に依存する営業から、チームとして戦略的な営業が取られるようになっています。

営業を戦略的におこなう上で欠かせないのが、クラウド型の営業管理ツール。ツールの利用で、営業案件の「見える化」や、チーム内の営業スキル標準化に役立ちます。

この記事では営業管理ツールの主要な機能を紹介し、クラウド型営業管理ツール10選を解説します。

 営業管理ツールに搭載されている機能

営業管理ツールの基本的な機能は共通しています。機能の概要を知れば、導入時の用途や活用法などもイメージしやすくなるでしょう。

多くの営業管理ツールに共通して搭載されている基本とも言える5つの機能を紹介します。

1:顧客管理

顧客管理とは、顧客や見込み顧客の社名・担当者名・担当者の肩書・名刺データ・電話番号・住所などの情報を指します。営業管理ツールでは、過去の問い合わせ・購買履歴なども管理できます。

今でも古い組織、顧客数の少ないケースではエクセルやスプレッド―シートなどで管理が行われています。ただし顧客数が多くなってくると情報量が増加した際に管理が煩雑になります。

また専用のソフトウェアを使ってPCやサーバーに顧客データを保存する場合もありますが、以前は導入費用が高額になること、機能のアップデート・情報のバックアップなど保守メンテナンスに負担がかかる点が懸念されていました。

現在主流となったクラウド型の営業管理を導入すれば、既存のエクセルなどとのツール連携もスムーズに行えます。

 2:案件・進捗管理

営業管理ツールでは、案件ごとに商談の進捗状況をチェックできます。

案件管理機能を利用すると、商談進捗を一覧表示して月間目標に到達できるかの見込みやクロージングまでのプロセスなどを管理できます。また、顧客ごとに商談進捗を設定できるので停滞が続いている商談のあぶり出し、スタッフの営業効率はどうかなどのチェックも一瞬で行えるのです。

 3:スケジュール管理

スケジュール管理機能では、自社のメンバーのスケジュールを管理できます。

各個人のToDoリストの共有や、営業内容(DM送付件数・テレアポ架電件数・商談数など)の管理も可能です。マネージャーにとってはタイムリーに稼働状況が把握できるのも便利と言えるでしょう。

 4:コミュニケーション

ツール内のビジネスチャットでリアルタイムなコミュニケーションを取り、営業資料の共有などもスムーズに実行できます。

稟議書の書類決済をするアプリケーションと連動させ、電子署名によって責任者や決裁者が承認、決済を行うケースも増えています。営業管理ツールを離れずに完結できる業務が多いと、仕事の効率もアップ

 5:売上予測

人工知能(AI)が搭載されている営業管理ツールも数多くあります。

人工知能が最も活かされるのは、記録された情報をもとにデータ分析する売上予測機能でしょう。営業管理ツールによっては、最適なアプローチのタイミングの提案機能なども搭載されています。

受注確率の高い時期を見計らって営業できるのは現場にとって心強い機能と言えるでしょう。

 中小企業におすすめの営業管理ツール5選

営業管理ツールは、多くのメーカーがさまざまな商品をリリースしています。商品ごとに特徴やメリットが異なっているため、自社の課題や目標に合ったツールを導入することが重要です。

まず中小企業向けに、導入メリットの大きい営業管理ツール5選をご紹介します。

 ネクストSFA(株式会社ジオコード)

ネクストSFAは、現場のユーザーのために見やすさ、使いやすさにこだわって作られたSFAツールです。

  • 顧客管理
  • 案件管理
  • 行動管理
  • 代理店管理

など、営業管理に必要な機能が一通り搭載されていて、視覚的、直感的にわかりやすい設計です。

手軽に機能をカスタマイズでき、数値データのグラフ化して手軽に資料を作るなど細かなニーズに配慮されています。無料の顧客サポートを利用できるため、操作・設定がわからない場合も問題になりません。

月額料金は、50,000円~(10アカウント込みの料金)です。

Ecrea(株式会社エクアラボ)

Ecreaは必要な機能のみを選択して利用開始できる営業管理ツールです。

営業管理ツールは多くの機能があるので、初めて導入する企業はオーバースペックに感じることがあります。また中小企業では「そこまで求められない」機能を削ぎ落して、初めての人が使いやすいツールを目指しました。

どの機能を選べばよいかわからない人向けに、必要な機能を診断するシミュレーションもあります。Ecreaは必要機能のみを選んで利用できるでしょう。初めての会社におすすめです。

料金プランは1アカウントあたり月額1,000円~です。

WaWaFrontier(株式会社アイアットOEC)

WaWaFrontierは、営業日報をベースにした案件管理や顧客管理を手軽にするツールです。

個々の担当者が日報登録やスケジュール登録をすると、情報が即座に共有されます。また、案件ごとの進捗状況を一目でチェックできたり、担当者の報告に上司がコメントを返したりするなど、営業現場の助けになるよう設計されました。

WaWaFrontierは、一つひとつの機能がシンプルにわかりやすく設定されているため、多くの中小企業から高い評価を受けています。

月額料金は、基本料金2,500円+アカウント料金2,500円(1アカウントあたり)に設定されています。

ALL-IN(株式会社 エステイエス)

ALL-INは、中小企業やベンチャー向けに必要な機能がすべてパッケージされた営業管理ツールです。

顧客管理・プロジェクト管理・集客ツールなどの営業管理ツールとしての機能の他に、人事・経理管理や仕入れ・在庫管理などの機能を搭載している点が大きな特徴です。

それぞれの機能を連携させれば、グラフ化などビジュアル面でのサポートも得意です。

料金体系は、初期費用300万円~(3ユーザー)です。導入後は利用する機能はアカウント数に応じて月額料金が発生します。

ちきゅう(株式会社ジーニー)

「ちきゅう」の最大の強みは、シンプルさとカスタマイズ性を両立させている点です。

「99%の人が使いこなせる」というUIのわかりやすさが徹底されています。さらに、GmailやSlackをはじめ多くの外部ツールとも連携できるのも魅力でしょう。

導入時のデータ移行などのサービスも気軽に応じてくれます。利用料金は、月額1480円~(1アカウントあたり)で利用する機能ごとに基本料金が4段階に変動します。

大企業におすすめの営業管理ツール5選

営業管理ツールを導入する際に、大企業では中小企業が必要としない機能を必要とすることがあります。

大企業ではユーザー数も多く、専門的なマーケティング分析を行う場面も多いでしょう。また社内エンジニアのプログラミング技術を応用してツールをカスタマイズしたいなどのニーズも想定されます。

この章では、大企業におすすめの営業管理ツール5選をご紹介します。

Salesforce(セールスフォースドットコム)

Salesforce(セールスフォース)は世界のトップシェアの最も有名なSFAです。

国内の誰もが知る大企業でも多数導入されており、実績は約15万社。

特に高評価なのは、SFAのパイオニアらしく機能が豊富であり、カスタマイズもしやすい点。営業だけでなく、社内にあるさまざまな情報を一元管理できるので、営業支援という名前ながら企業全体の管理やマーケティングプランにも役立てられます。

最も利用の多いエンタープライズプランの場合、1ユーザーあたり月額18,000円です。ユーザー数を限定した安いプランもあります。

eセールスマネージャーRemix Cloud(ソフトブレーン株式会社)

eセールスマネージャーは、95%の継続率を誇る営業管理ツールです。

営業コンサルティングの領域でも実績のあるソフトブレーン株式会社が提供。定着率を支えているのは、同社による徹底したカスタマーサポートの賜物でしょう

eセールスマネージャーを導入した場合、実務の場面で非効率や既存ツールとの二度手間解消などを実現すべく、現場目線でのフォローを受けられます。

Microsoft Dynamics 365 for Sales(マイクロソフト社)

Dynamics 365 for Salesは、マイクロソフト社が提供している営業管理ツールです。

officeをはじめとしたマイクロソフト社のツールとの親和性が優れている点が大きな特徴です。また多機能にもかかわらず費用が安くコストパフォーマンスに優れたツールとしても評価を高めています。

シームレスに多くのツールと連携を取れるため、営業管理ツールとしての用途にとどまらずマイクロソフト社のツールを使用した全部署の管理を実現します。ただし、多機能であるがため運用設計の際には専門知識が必要です。

 JUST-SFA(株式会社ジャストシステム)

JUST-SFAは、長年にわたるソフトウェア開発の実績をもつジャストシステム製のSFAです。

営業実績や進捗管理など様々なデータをグラフや表へ手軽にビジュアル化できる点が大きな特徴です。また、直感的でわかりやすい操作性にも定評があります。

機能面としては非常にオーソドックスですが、だからこそ使い勝手の良さが際立つツールです。

 Oracle Sales Cloud(Oracle)

営業管理の基本的な機能に加え、分析や売上予測などの機能に優れるツールとして評価が高いのがOracleのOracle Sales Cloudです。

もともとOracleは、データベースのベンダーとしての高い技術に定評がありますが、その技術力を営業管理ツールに活用した製品であるといえるでしょう。

専門性の高いツールだと思われるかもしれませんが、インターフェースは極めて直感的。ITに詳しくない人でも抵抗なく使えるように設計されています。

武器である「売上予測や分析」の精度向上には情報のボリュームが必要なので、大企業で本領を発揮するツールと言えるでしょう。

 営業管理ツールは自社にあったものを選べる

営業管理ツールは、営業活動を科学的に管理するためには欠かせないツールです。

顧客管理・進捗管理・売り上げ予測など、営業活動には欠かせない機能がパッケージされており、生産性向上や売り上げのアップに効果を発揮します。

ただ中小企業と大企業でも求められる機能は異なります。自社の営業効率を落としている点は何か?を考えると、自社に必要な機能が見えてくるでしょう。

営業管理ツールの導入をサポートするサービスは多数あるので、専門家に相談するのもおすすめです。

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