営業支援の目的で、AI活用が急速に広がっています。「議事録が会議終了後5分で完成」「AIによるデータ分析によって、人間の作業時間が70%減少」導入によって、営業現場は劇的な変化を遂げています。
このようにAIは単なる自動化ツールではなく、営業活動を根本から変える可能性を秘めています。取り組みが早い企業はAIを取り入れ、成果を出しています。人材不足が叫ばれる昨今では、AI導入のスピードと質が今後の事業展開に大きな影響を与えるでしょう。
この記事では、AIを導入するヒントと自社で運用するときの注意点を紹介します。AIを活用して、自社の売上の最大化を目指しましょう。
※本記事に記載されている内容は、2025年8月執筆時点のものです。記事公開以降に、AIツールのサービス内容が変更する可能性もありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
この記事の目次
AIで今すぐ効率化できる営業業務5選
AIは、特定の作業において人間の能力を大きく上回る力を発揮します。どのような業務の効率化ができるのか、具体的なツールの使用例とともに解説します。
リード生成・スコアリング
AIの得意領域は、大量の顧客データや市場の動向を分析し、自社にとって有望な見込み客を効率よく探し出すことです。
AIは過去の成約実績をもとに、どのような顧客が最も契約につながりやすいかを自動で予測できます。営業担当者は、AIが算出した優先順位に従ってアプローチできるため、成約率の高い顧客に集中して営業活動を進められるでしょう。
たとえば「Salesforce Einstein」は、顧客データから優先度を自動で判断し、営業活動をサポートしてくれます。
商談記録・要約
商談の内容を自動で記録し、要点をまとめてくれるのもAIの得意分野です。要点の洗い出しによって、商談が終わったあとの議事録作成の手間が大幅に減ると言えます。
営業担当者はメモを取る必要がなく、商談そのものに集中できます。顧客との対話に時間をかけられるため、より深い関係性を築きやすくなるでしょう。
「Zoom」のAI要約機能や「Notta」といったツールを活用すれば、オンライン商談の内容を自動で文字起こしし、重要な部分を抽出してくれます。
メール・提案書作成支援
顧客の過去のやり取りや現在の状況をふまえて、AIがパーソナライズされたメールや提案書のたたき台を自動で作成してくれます。
あらかじめ用意しておいた社内テンプレートとAIを組み合わせることで、ドキュメントを素早く作成できるでしょう。文章を一から考える時間を減らし、他の業務に時間をまわせます。
たとえば「ChatGPT」や「Gemini」などの生成AIに、社内テンプレートと顧客情報を入力するだけで、文案が瞬時に生成されます。
顧客管理の自動化
AIは、顧客とのやり取りやウェブサイト上での行動履歴を自動で追跡し、顧客管理システムへ入力してくれます。営業担当者が情報を入力し忘れたり、更新されずに古い情報が残ったりするリスクを防げます。
常に最新の顧客情報をチーム全体で共有できるので、スムーズな連携が可能です。「HubSpot」には、顧客の行動履歴をもとに成約につながりやすいリードを予測する機能が搭載されています。
データ分析・予測
AIは、これまでの営業データや市場トレンドなど、膨大な情報を分析してくれます。その結果をもとに、将来の売上予測や、どの顧客にアプローチすれば契約につながる確率が高いかを割り出せます。
過去のデータだけでは見つけられなかった、新たな営業戦略を見つけるきっかけにもなるでしょう。
たとえば「Tableau(タブロー)」のようなBI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツールにAI分析機能を組み合わせることで、複雑なデータを視覚的に理解し、成約確率を高めるための戦略を立てられます。
AIと人間の最適な役割分担
AIは多くの作業を効率化してくれますが、人間にしかできない役割も存在します。AIを最大限に活かすために、AIが得意な領域と人間が担う領域を分けて営業支援を進めましょう。
AIが担うべき業務
AIが最も得意とするのは、膨大なデータを高速で処理し、分析することです。人間が何時間もかかる作業でも、AIなら瞬時に完了できます。
これらの業務をAIに任せることで、営業担当者は単純作業から解放され、より価値の高い業務に集中できます。AIを最大限に活用するには、営業の定型的な業務を洗い出し、ツールに代行させることが最初のステップになるでしょう。
人間が行うべき業務
顧客と長期的な関係を築くには、相手の感情に寄り添い、共感する力が必要です。顧客の真のニーズを引き出し、関係性を深めるためのコミュニケーションは、人間にしかできない重要な役割と言えます。
また、マニュアルにない質問への回答や、複数の関係者が絡む商談など、柔軟な判断が求められる場面では、人間の臨機応変な対応が必要不可欠です。営業担当者は、複雑な状況を整理し、最善の解決策を見つけ出す役割を担います。
顧客からクレームが入った場合や、マニュアルにないトラブルが発生した場合は、高度な状況判断が求められます。あるいは顧客の感情を落ち着かせ、納得してもらえるような対応をするのは、人間だからこそできることです。
人間とAIの協働のポイント
人間とAIが協力して働くことで、それぞれの弱点を補い合い、より大きな成果を生み出せます。AIは分析や定型業務を担う一方で、人間はAIが導き出したデータや情報を活用して、感情や臨機応変な判断が求められる業務に注力すると業務の効率化にもつながります。
AIはあくまで営業をサポートするツールであり、最終的な責任と判断は人間が担いましょう。
AIが代替できない部分の営業はプロセルトラクションにご相談ください
プロセルトラクションでは、営業実績が豊富な担当者がAIが効率化できない領域をサポートします。一社ごとの状況に合わせた提案を、業界に関する知見がある担当者が行います。
自社の営業で課題を感じている方は、プロセルトラクションにご相談ください。
AI未導入でも営業の成果を上げている事例
AI未導入でも、営業代行を活用して営業の成果を挙げているケースも少なくありません。ここからは、プロセルトラクションの営業代行の事例を紹介します。
株式会社grooves Crowd Agent(クラウドエージェント)様では、営業の標準化のためにプロセスやセールスTipsなどのマニュアル化を行いました。その結果、チームマネジメントがしやすくなり、想定以上の営業成果を得られるようになりました。
さらに、プロセルトラクション主導の下でアウトバウンドコール部署を立ち上げ、内製化まで至っています。
またラクスル株式会社 ハコベル事業本部様では、プロセルトラクションにアウトバウンドコールを外注化いただきました。目標としていた商談数1.5倍ではなく、2倍まで上げられました。商談創出のための工数が削減され、営業担当者1人あたりの生産性も改善できています。
具体的な事例が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
新規事業のグロースフェーズにおいて営業・マーケ組織の内製化とアウトソーシングのハイブリッド体制を採用した狙いとその成果
急成長中のハコベルが更なる成長のためにテレマーケティング業務を分業化・アウトソーシングした理由とその成果
営業支援にAIを導入するステップ
AI導入を成功させるには、段階的に進めることが大切です。いきなり全社に導入するのではなく、小さな規模から始めましょう。
【ステップ1】小規模で試す
まずは、特定の部署や少人数のチームでAIツールを試してください。たとえば、オンライン商談が多い部署で議事録作成AIを使ってみるケースです。課題を一つに絞ってAI導入を試すと、効果が測定しやすくなります。
多くのツールには無料トライアル期間が設けられているため、コストをかけずに効果や使い勝手を確かめられます。
【ステップ2】成果を測定する
AIツールを試したあとは、どのような成果が出たかを客観的に評価することが大切です。そのために、あらかじめKPI(重要業績評価指標)を設定しておきましょう。
「議事録作成にかかる時間が20%減った」や「リードの成約率が5%上がった」といった具体的な数値目標を立てておくと、導入効果を明確に判断できます。
【ステップ3】社内に展開する
小規模で成功して確かな成果が確認できたら、全社への展開を検討します。その際、従業員がスムーズにツールを使えるように、使い方を丁寧に説明する研修やマニュアルの作成が欠かせません。
新しいツールを導入する際は抵抗を感じる人もいるため、ツールのメリットや使い方をわかりやすく伝え、積極的に活用してもらえるように促しましょう。
【ステップ4】定期的に活用状況を見直す
AIツールは日々進化しているため、一度導入したら終わりではありません。定期的にツールの活用状況を見直し、より効果的な使い方がないかを探しましょう。
従業員からフィードバックをもらって改善を重ねると、AIをより深く営業活動に組み込めます。また、新しい機能がリリースされたり、より自社に合ったツールが出てきたりするため、最新の情報を常にチェックすることが大切です。
営業ツールのおすすめや選び方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
営業管理に役立つツール10選|チームの売上増に直結するものは
AI導入前に知っておくべき注意点
AIを営業支援ツールとして取り入れば問題が解決するわけではなく、導入後の振り返りと従業員へのサポートが不可欠です。AI活用の効果を最大限に引き出すために、これから解説するポイントを確認しておきましょう。
費用対効果を慎重に見極める
AIツールにはさまざまな種類があり、費用も機能によって大きく変わります。高機能なツールは多額の費用がかかる場合がありますが、必ずしも費用に見合った効果が得られるとは限りません。
自社の営業規模や予算、解決したい課題に合わせて、本当に必要な機能は何かを見極めましょう。無料トライアル期間を利用して、効果を事前に検証することも有効な手段と言えます。
従業員への教育とサポート体制を整える
新しいツールを導入する際には従業員が使い方を習得し、日々の業務で活用できるようにサポートする体制が必要です。
導入したら終わりではなく、使い方を教える研修を実施したり、マニュアルを作成したりすることが大切です。またツールに関する疑問や問題が発生したときに、すぐに相談できる担当者を決めておくと、従業員も安心して使えます。
まとめ
営業支援にAIを取り入れることは、単に作業を効率化するだけでなく、営業のあり方そのものを変えるきっかけになります。
AIはデータ分析や事務作業といった得意な領域で力を発揮し、人間は顧客との信頼関係の構築や複雑な商談の対応など人間にしかできない役割を担うことが重要です。
AI導入は、まずは小さな一歩から始めて、効果を確かめながら広げていくことをおすすめします。AIと既存の営業ノウハウをうまく組み合わせることで、今まで以上に高い成果が期待できるでしょう。
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