反響は来ているのに成約につながらない
源泉営業を任せられる人材がいない
追客が属人化しており、対応が遅れているうちに他社で決まっている

そんな不動産営業の悩みがあるなら、営業代行の活用がおすすめです。営業現場でのリソースが不足している中で、反響対応もリアルタイムで行うのはそもそも体制に無理があるかもしれません。無理に兼務させても成果が出ないだけでなく、現場のモチベーションも落ちてしまうでしょう。

そこで本記事では不動産営業代行を「任せたい範囲」で3タイプに整理し、タイプ別おすすめ13社と失敗しない選び方を解説します。

この記事の目次

この記事でわかること

  • 不動産営業代行は「任せたい範囲」で3タイプに分かれる
  • 失敗しない営業代行会社の選び方5つの基準
  • タイプ別おすすめ13社の特徴と向いているケース
  • 費用相場・メリット・デメリットと依頼前の確認事項

不動産会社におすすめの営業代行会社13選

まず全体像を一覧で示します。各社の詳細は後述します。

会社名タイプ特徴料金の目安
株式会社プロセルトラクション戦略設計+実行戦略設計から反響追客の実行まで一気通貫。実行部隊「プロアポコール」を自社保有月額50万円〜/プロアポは1ヶ月〜
株式会社ESTATE源泉・物上げ特化訪問・テレアポで源泉開拓。短期テストから対応2週間35万円〜/成果報酬
株式会社ジャパンプ源泉・物上げ特化訪問とテレアポを両立。営業トレーニング済み人材が稼働月額50万円〜(1人)
株式会社canterista源泉・物上げ特化全国対応の新規開拓。固定・成果・複合型に柔軟対応2週間30〜35万円/成果報酬
ミカタ株式会社反響・追客特化一括査定反響の追客に特化。長期ナーチャリングまで代行固定+従量(月2万円〜の追客も)
homie株式会社反響・追客特化AI×人で反響対応を最適化。即時アポ化に強い要問い合わせ
株式会社ROUND TOSS反響・追客特化売買仲介特化。80秒以内の初動と最大15回架電要問い合わせ
株式会社デュアルタップグロウスBtoB・システム連携不動産上場企業発。BtoB営業とコンサルに強い要問い合わせ
株式会社アイランド・ブレインオールラウンダー完全成果報酬。商談獲得1件18,000円で低リスク成果報酬(1件18,000円〜)
株式会社ディグロスオールラウンダー成果報酬型テレアポ。アポの質改善に強い成果報酬(要問い合わせ)
アズ株式会社オールラウンダー成果報酬型アポ獲得。戦略〜実行まで一気通貫成果報酬(アポ単価制)
株式会社エッジコネクションオールラウンダー戦略設計〜商談同行まで総合支援。品質保証あり成果報酬(アポ1.5万円〜)
株式会社メイクブイ・ホールディングスオールラウンダー低単価・大量架電に強いBPO型従量課金(1コール100円〜)

不動産営業代行は「任せたい範囲」で選ぶ

ノートPCの画面を3人で確認しながら商談の設計を詰める営業チーム

不動産営業代行を選ぶとき、多くの人が実績数や料金で比較します。しかし、まずは自社が営業のどこを任せたいのかを明確にすることが最重要です。

不動産営業代行は、任せたい範囲によって大きく3つのタイプに分かれます。

タイプ1:源泉営業の実行を任せる

源泉営業は、闇雲に物量だけをこなすだけでは成果にはつながりません。

売却意欲がまだ表面化していないオーナーに対して、テレアポや訪問で能動的にアプローチし、案件化を目指すため、飛び込み・電話・ポスティングなどを駆使する手法です。

もちろん行動量は重要ですが、それ以前のトーク設計に問題があると量を重ねても、ただ時間とコストだけが消費されてしまいます。

売却物件(媒介)を増やしたいが、源泉営業を回せる人材が社内にいないという不動産会社におすすめです。すでに営業の型はあるので、実行する手を増やしたいというニーズに応えます。

タイプ2:反響追客の実行を任せる

ヘッドセットを着けてパソコンに向かい通話するコールセンターの担当者2名

一括査定サイトやポータルサイト、広告経由で問い合わせてきた顕在層に対して、スピーディーに初動対応し、アポイントにつなげるのが反響追客です。ここは初動スピードと仕組み化が成果を左右します。

反響は来ているのに対応が追いつかない、土日や営業時間外の反響を取りこぼしている、という不動産会社に向いています。こちらも「実行する手」を増やすタイプです。

反響追客のスピード感に問題がある不動産会社は、少なくありません。しかし、自社の対応が遅いことで、他社で次々に成約していることに気づかないままチャンスロスを続けていることを自覚していないケースが多いようです。

タイプ3:営業の戦略設計・仕組み化から任せる

これまでの2タイプは、実行フェーズを外注するのに対し、タイプ3では営業のやり方そのものの設計・標準化を委託します。営業の型がまだない、属人化していて再現性がない、何から手をつけるべきかわからないという段階の不動産会社に向いています。

このタイプは単なる実行部隊ではなく、ターゲット設計・トーク設計・KPI設計・仕組み化までを担います。将来的に営業を内製化したい企業にも適しています。

設計できていないまま営業を走らせるのは非効率

私は法人営業を16年やってきました。その中で「実行を増やせば成果が出る」と考えている企業が多く、そして伸び悩んでいる事実に気づきました。

架電数を増やしても、そもそも誰に・何を・どう伝えるかの設計がずれていれば、成果にはつながりません。私が展示会に出展勧誘するときも同じで、闇雲にアプローチ数を増やす営業より、ターゲットを見極めて設計している営業のほうが、はるかに高い成約率を出していました。不動産営業代行を選ぶときも、「実行を任せたいのか」「設計から任せたいのか」を最初に見極めることが、成否を分ける最大のポイントです。

不動産営業代行に依頼できる業務範囲

不動産営業代行が対応できる業務は多岐にわたりますが、すべてを一律に任せるべきではありません。どの工程が自社のボトルネックかによって、選ぶべき会社は変わります。

依頼できる主な業務は、リスト作成、テレアポ(源泉営業)、反響対応(インサイドセールス)、物上げ・仕入れ、商談・クロージング支援などです。

一方で、契約業務や重要事項説明は宅地建物取引士の独占業務であり、営業代行に任せることはできません。営業代行が担えるのはあくまで契約手前までのプロセスです。この線引きを理解しておくことが、期待値のズレを防ぐ第一歩になります。

失敗しない不動産営業代行の選び方5つの基準

複数社の見積書を並べて比較検討している様子

不動産営業代行を選ぶ際のポイントについて、以下5つのポイントを解説します。

【基準1】源泉営業か反響追客か、目的を明確にする

最初に整理すべきは、依頼したい業務が源泉営業なのか反響追客なのかという点です。この2つは求められるスキル・トーク・管理方法がまったく異なります。目的を曖昧にしたまま導入すると、コストだけがかかって成果が出ない原因になります。

【基準2】宅建業法など業界特有の知識を理解している

不動産営業には宅地建物取引業法をはじめとした厳格な法規制があります。誤った説明や強引な営業はクレームや行政指導につながります。売却理由のヒアリングや価格の説明などは、業界知識が浅いと信頼を損ねるため、不動産業界での経験があるかを必ず確認してください。

【基準3】「リスト」の質

営業成果の大半はリストの質で決まります。源泉営業では築年数・エリア特性・取引履歴を踏まえたリスト設計が不可欠です。反響追客でも、問い合わせ内容や温度感を適切に分類できなければ対応の優先順位を誤ります。

営業代行が、どのような基準でリストを作成・管理しているかを確認してください。

【基準4】レポートの透明性の担保

営業代行を利用することで、営業活動がブラックボックス化することは避けなければなりません。

架電数やアポ数だけでなく、通話内容・顧客の反応・失注理由まで共有されなければ改善につながらないためです。定期的なレポート提出と数値開示の体制があるかを必ずチェックしてください。

【基準5】Web集客や営業設計との連携

営業代行を「電話業務の外注」と捉えている会社は要注意です。反響の質が低ければ、いくら追客しても成約率は上がりません。Web集客の改善や、営業プロセス全体の設計まで踏み込める会社を選ぶことで、反響の質と商談化率の両方を高められます。

「リストが9割」の真実

どの業界でも共通して言えるのは、「リストが9割」ということです。展示会の出展勧誘でも、全業種・全対象へ声をかけるDMや広告なども使う一方で、出展する動機が明確にある企業を見極めてアプローチできれば、成約率は向上します。不動産の源泉営業も同じで、築年数やエリアといった条件から「今、動く可能性が高いオーナー」を絞り込めるかが勝負です。

営業代行会社を選ぶ際は、リストをどう作り、どう精度を上げていくのかを具体的に聞いてみてください。ここに明確に答えられる会社は信頼できます。

不動産営業におすすめの営業代行会社の特徴

前半で紹介した各社の特徴を1社ずつ掘り下げていきます。自社と相性のよさそうな会社を見極める参考にしてください。

【まず検討したい総合型】株式会社プロセルトラクション

項目内容
所在地東京都渋谷区恵比寿西2-2-6
設立2021年
料金月額50万円〜(プロアポコールは最低契約1ヶ月〜)
対応領域戦略設計・源泉営業・反響追客・BtoB新規開拓すべて

最初に検討すべき理由

不動産営業代行は本来、源泉営業の実行が得意な会社、反響追客に特化した会社、戦略設計から入れる会社と、強みが分かれています。プロセルトラクションは、戦略設計と実行部隊の両方を自社で持っている点が特徴的です。

リクルートの新規事業責任者出身の代表のもと、地場の不動産仲介会社から組織的なディベロッパーまで、規模やフェーズを問わず不動産営業を支援してきた実績を持ちます。「業界×ビジネスモデル×事業フェーズ」ごとの勝ちパターンを蓄積しているため、属人化しがちな不動産営業を標準化・仕組み化できるのが強みです。

さらに、反響追客の実行サービス「プロアポコール」を運営しています。不動産一括査定サイトやポータルサイトの反響特性を理解した営業スタッフが、電話・メール・SMSで全国47都道府県に対応。最短3日で稼働でき、繁忙期のスポット対応から長期の休眠掘り起こしまで柔軟に体制を組めます。簡易査定書の作成など営業に付随する業務も、オプションの「プロアポアシスタント」で任せられます。

つまり、「戦略だけ描いて実行は別会社」ではなく、設計から実行までを一気通貫で巻き取れる。これが、源泉・反響・戦略のどのニーズにも応えられる理由です。

依頼に適している企業:

  • 何から手をつけるべきか整理できておらず、戦略段階から相談したい
  • 反響追客の実行部隊がすぐに欲しい
  • 属人化した営業を標準化し、将来の内製化まで見据えたい
  • 地場の仲介からディベロッパーまで、規模を問わず柔軟な設計を求める

【源泉営業・物上げ特化】売却物件を獲得したい

まだ売却を検討していないオーナーを掘り起こし、媒介獲得につなげたい不動産会社に向いたタイプです。行動量とトーク設計に強みを持つ会社を紹介します。

株式会社ESTATE

項目内容
所在地東京都品川区大崎5-9-9
設立2011年
料金テストマーケティング2週間35万円〜/成果報酬型あり
対応領域訪問営業・テレアポ・テストマーケティング

不動産業界特化型の営業代行会社として、物件販売や投資用不動産の営業を中心に支援してきた実績を持つ。心理学をベースにした独自の営業メソッドで、飛び込み・テレアポによる源泉開拓に強い。短期のテストマーケティングから成果報酬まで柔軟なプラン設計が可能で、「0→1」の新規開拓を現場レベルで増やしたい不動産会社に向いている。

向いている企業: 物上げ・媒介獲得を現場稼働で増やしたい不動産会社。まず短期でテストしてから判断したい場合。

株式会社ジャパンプ

項目内容
所在地東京都渋谷区
設立2011年
料金月額固定が中心(1人あたり月50万円〜)
対応領域訪問営業・テレアポ・インサイドセールス

訪問営業とテレアポの両面を代行できる営業代行会社。すべての稼働人材が1,000時間以上の営業トレーニングを積んでおり、300社以上の支援実績を持つ。不動産を含む多業種の商習慣に対応し、営業支援後にはデータや顧客の声をノウハウとしてフィードバックする仕組みがある。対面営業を含めて現場稼働を増やしたい不動産会社に適している。

向いている企業: 訪問営業を含めて営業稼働を外部で増やしたい不動産会社。フィードバックによる改善も求める場合。

株式会社canterista

株式会社canteristaの公式サイト
項目内容
所在地東京都
設立非公開
料金2週間30〜35万円/成果報酬(アポ9,800円〜)など
対応領域新規開拓(架電〜訪問)・全国対応

全国拠点で新規開拓を実行できる営業代行会社。固定・成果・ハイブリッドなど契約設計の幅が広く、エリアをまたいだ源泉開拓に対応できる。スクリプト作成や初回アプローチだけでなく顧客フォローまで行う丁寧な運用が特徴で、リフォームや住宅販売など細やかな対応が求められる領域で評価を得ている。

向いている企業: エリアをまたいで源泉開拓を動かしたい不動産会社。多拠点・広域展開を進めたい場合。

【反響・追客特化】反響からのアポ率を上げたい

一括査定やポータルサイトからの反響を、スピーディーに商談へつなげたい不動産会社に向いたタイプです。初動の速さと追客の仕組み化に強みを持つ会社を紹介します。

ミカタ株式会社(追客のミカタ)

ミカタ株式会社(追客のミカタ)の公式サイト
項目内容
所在地非公開
設立非公開
料金固定+従量(長期追客は月2万円〜のプランも)
対応領域反響追客・長期ナーチャリング

不動産売却反響の追客に徹底特化したサービス。一括査定サイトからの反響に対し、短期の即時架電から、約2年間にわたる長期追客までを代行する。一括査定の反響は査定発生から約2年で約2割が売却に至るとされ、この中長期客を逃さず追い続けられるのが強み。低コストで運用できる架電プランもあり、反響はあるが追客が回らない不動産会社に適している。

向いている企業: 反響はあるが追客が回らず、査定・訪問につながらない不動産会社。長期客を取りこぼしたくない場合。

homie株式会社(HOTLEAD)

homie株式会社(HOTLEAD)の公式サイト
項目内容
所在地非公開
設立非公開
料金要問い合わせ
対応領域反響対応・インサイドセールス

不動産×テクノロジー領域に強い反響対応特化サービス「HOTLEAD」を提供。AIによって最適な架電タイミングやトーク内容を分析し、AI×人のハイブリッドで通電率とアポ率を高める設計が特徴。導入後にメール問い合わせからのアポ率が3倍、成約件数が2倍になった事例も報告されている。反響の取りこぼしが多く、来店・内見・査定への転換率を上げたい不動産会社に向く。

向いている企業: 反響の取りこぼしが多く、来店・査定アポへの転換率を上げたい不動産会社。

株式会社ROUND TOSS(楽トス)

株式会社ROUND TOSS(楽トス)の公式サイト
項目内容
所在地非公開
設立非公開
料金要問い合わせ
対応領域売買仲介特化・反響追客

不動産売買仲介業者向けのインサイドセールス代行サービス「楽トス」を提供。反響から80秒以内の迅速な架電を目標に、最大15回の架電で競合他社に先んじて顧客接点を確保する。不動産売買仲介に精通したオペレーターが対応し、長期的な顧客フォローや中長期客への追客コールにも対応。インサイドワークを全面的に代行し、営業スタッフが面談に集中できる環境を作る。

向いている企業: 反響対応のスピードと追客体制を強化して商談数を増やしたい売買仲介会社。

【BtoB不動産・システム連携】法人向け・投資用に強い

不動産会社の中でも、法人を相手にした営業や、コンサルティングを伴う営業支援を求める場合に向いたタイプです。

株式会社デュアルタップグロウス

株式会社デュアルタップグロウスの公式サイト
項目内容
所在地東京都品川区
設立非公開
料金要問い合わせ
対応領域BtoB営業・コンサルティング・実行支援

不動産業界で上場するデュアルタップが立ち上げた営業支援会社。総見込み客獲得数7,362件の実績を持ち、上流のコンサルティングから現場レベルの営業代行・BPOまで総合的に支援できる。BtoBに特化し、インサイドセールスからフィールドセールスまで営業手法が幅広い。不動産業界の出自を持ちながら法人営業の体系化を支援できる点が特徴。

向いている企業: 法人向け・投資用不動産の営業を強化したい、あるいは営業活動を体系化したい不動産会社。

株式会社アイランド・ブレイン

株式会社アイランド・ブレインの公式サイト

株式会社ディグロス

株式会社ディグロスの公式サイト

アズ株式会社

アズ株式会社の公式サイト

株式会社エッジコネクション

株式会社エッジコネクションの公式サイト

株式会社メイクブイ・ホールディングス

株式会社メイクブイ・ホールディングスの公式サイト

不動産業界の営業代行の費用相場

不動産営業代行の費用は、「どの営業手法を依頼するか」「成果の定義をどこに置くか」によって大きく異なります。特にテレアポ中心の源泉営業と、訪問・商談まで含む営業では必要な工数が変わるため、料金体系も複数存在します。

以下では、不動産業界で一般的な費用相場を契約形態ごとに整理します。

固定報酬型

月額で一定の費用を支払い、決められた業務量や稼働時間を確保する契約形態です。不動産営業代行では月額20万円〜80万円程度が相場となるケースが多く、源泉営業のテレアポや反響追客の一次対応などに用いられます。

成果に左右されず安定した稼働を確保できる点がメリットですが、成果が出なくても費用は発生します。KPI設計やレポート体制が整っていない会社を選ぶと、コストだけが先行するリスクがあります。

なお、反響追客に特化したサービスの中には月5万円程度から利用できるプランもあり、小規模から試したい場合の選択肢になります。

成果報酬型

アポイント獲得や訪問設定など、あらかじめ定義した成果に応じて費用が発生する契約形態です。不動産業界では1アポあたり1万円〜3万円前後が目安となることが多く、初期コストを抑えたい会社に選ばれやすい傾向があります。

ただし、成果の定義が曖昧だと「質の低いアポ」が量産されるリスクがあります。単価の安さだけで判断せず、成果基準と除外条件が明確かどうかを必ず確認してください。

リスト購入費やコール課金などの諸経費

営業代行の費用を検討する際は、月額費用や成果報酬だけでなく、付随する諸経費にも注意が必要です。源泉営業用のリスト購入費、1コールあたり数十円〜数百円のコール課金、システム利用料などが別途請求されるケースがあります。

これらを含めずに検討すると、想定以上にコストが膨らむことがあります。契約前に総額でいくらかかるのかを必ず確認してください。

筆者の経験から3

営業の外注コストを検討するとき、多くの企業が「月額いくらか」だけを見て判断しがちです。しかし本当に見るべきは、1件の成約を得るためにいくらかかったかです。展示会でも同じで、出展料が安いイベントに出たものの見込み客がまったく取れず、結果的に単価が高くついたというケースを数え切れないほど見てきました。逆に、出展料は高くても質の高い商談が複数生まれれば、圧倒的に安い投資になります。不動産営業代行も、月額の安さではなく「成約1件あたりのコスト」で比較する視点を持ってください。

不動産会社が営業代行を利用する3つのメリット

不動産会社が営業代行を導入する最大の理由は、営業力そのものを短期間で補完できる点にあります。人材採用が難しく育成にも時間がかかる不動産業界において、営業代行は即効性のある選択肢です。

採用コストをかけずにプロの営業リソースを確保できる

不動産営業人材の採用は、求人広告費や面接工数に加え、入社後の教育コストも大きな負担になります。営業代行を活用すれば、こうした採用・育成コストをかけずに、すでに経験を積んだ営業人材を即戦力として活用できます。

特に源泉営業や反響追客など専門性の高い業務では効果が顕著です。短期間で営業体制を強化したい不動産会社にとって、合理的な選択肢といえます。

土日や営業時間外の対応が可能になり、機会損失を防げる

不動産業界では、問い合わせや内覧希望が土日や夜間に集中するケースが少なくありません。自社スタッフだけで対応するのは現実的に難しい場面も多いでしょう。

営業代行を利用することで、営業時間外の反響対応や一次対応をカバーでき、取りこぼしを防げます。スピードが重視される反響対応において、対応時間の拡張は成約率向上に直結します。

営業担当者が商談やクロージングに集中できる

営業代行に業務の一部を任せることで、自社の営業担当者は本来注力すべき商談やクロージングに集中できます。特に架電や初期対応といった工数のかかる業務を外注することで、現場の負担を大きく軽減できます。

限られた人員で売上を最大化したい不動産会社にとって、営業代行は生産性向上の有効な手段です。

不動産会社が営業代行を利用する3つのデメリット

営業代行は有効な手段ですが、万能ではありません。導入前にデメリットを理解せずに進めると、現場の混乱や期待外れの結果につながることがあります。

自社にノウハウが蓄積されにくい

営業代行に業務を任せきりにすると、営業プロセスやトークの改善点が社内に共有されず、ノウハウが蓄積されにくくなります。特に源泉営業や反響追客は、試行錯誤の積み重ねが成果に直結する領域です。

レポートや定例ミーティングを通じて情報を共有しなければ、営業代行をやめた瞬間に成果が止まる可能性があります。導入時には、知見を社内に還元できる仕組みを整えることが重要です。

業者選びを誤ると「質の悪いアポ」で現場が疲弊する

成果報酬型を中心に、アポ数だけを重視する営業代行会社を選ぶと、現場に負担が集中するリスクがあります。条件を満たしていないアポや、温度感の低い顧客との商談が増えると、営業担当者のモチベーション低下につながります。

アポの定義や除外条件を明確にしないまま契約すると、成果が出ないだけでなく現場の疲弊を招きます。契約前のすり合わせが不可欠です。

情報漏洩のリスクがある

営業代行では、顧客情報や物件情報など機密性の高い情報を外部に共有することになります。情報管理体制が不十分な会社を選ぶと、情報漏洩のリスクが高まります。

秘密保持契約の締結やデータ管理方法の確認など、セキュリティ面のチェックは必須です。信頼できる体制が整っているかを事前に確認してください。

筆者の経験から4

外注で失敗する企業に共通しているのは、「任せたら終わり」という丸投げの姿勢です。展示会でも、出展を決めた後は当日まで何も準備せず、ブースに立つ人員も当日にアルバイトを手配するだけ、という出展社がありました。当然、成果は出ません。一方で成果を出す企業は、事前に何度も打ち合わせを重ね、当日のトークや動線まで練り込んでいました。営業代行も同じです。外注は「丸投げ」ではなく「協働」だと捉えられるかどうかが、成否を分ける最大の分岐点になります。

不動産営業代行に関するよくある質問

Q. 個人事業主(フリーランス)と法人、どちらに依頼すべきですか?

どちらにも依頼できますが、それぞれ向き不向きがあります。個人事業主は柔軟な対応やコスト面のメリットがある一方、稼働量や情報管理の面で不安が残るケースがあります。法人は複数名体制での稼働やレポート整備、契約面の安心感が強みです。不動産営業のように継続性と再現性が求められる業務では、体制が整った法人のほうが安定しやすい傾向があります。

Q. 地方の不動産会社でも対応してもらえますか?

多くの営業代行会社は電話やオンラインを中心とした体制を構築しているため、地方でも対応可能です。源泉営業や反響追客は必ずしも現地訪問を前提としないケースが増えています。ただし地域特性や相場感を理解していないと成果が出にくい場合もあるため、対応エリアの実績や地域情報のインプット体制があるかを事前に確認してください。

Q. 契約期間の縛りはありますか?

3か月〜6か月を最低契約期間として設定している会社が一般的です。短期間では改善と検証が難しいため、一定期間の運用を前提とするケースが多くなっています。一方で、最低契約期間を1か月に設定しているサービスもあり、まず試したい場合はこうした選択肢を検討するとリスクを抑えられます。契約前に解約条件や更新ルールを確認しておきましょう。

Q. 営業代行に契約業務まで任せられますか?

任せられません。契約業務や重要事項説明は宅地建物取引士の独占業務であり、営業代行が代わりに行うことはできません。営業代行が担えるのは、リスト作成・テレアポ・反響対応・アポイント獲得・商談支援など、契約手前までのプロセスです。この線引きを理解したうえで依頼範囲を決めてください。

Q. 源泉営業と反響追客、どちらを先に外注すべきですか?

現在のボトルネックによります。反響は来ているのに対応しきれていないなら反響追客を、そもそも物件(媒介)が足りないなら源泉営業を優先すべきです。判断がつかない場合は、営業プロセス全体を診断したうえで設計から相談できる会社に依頼すると、優先順位を整理しやすくなります。

まとめ:自社の課題に合った営業代行会社を選ぼう

不動産営業代行を成功させるために最も重要なのは、「営業代行を使うこと」そのものではなく、自社の課題と営業フェーズを正しく把握したうえで外注先を選ぶことです。

  • 売却物件(媒介)を増やしたいなら → 源泉営業・物上げ特化型
  • 反響からの来店・査定率を上げたいなら → 反響追客特化型
  • 営業の型がなく、何から手をつけるべきか整理したいなら → 戦略設計から入れる総合型

電話業務だけを切り出して外注しても、反響の質や営業導線が改善されなければ成果は頭打ちになります。逆に、自社の課題に合った会社を選べば、営業代行は単なる外注コストではなく、事業を伸ばす投資になります。

この記事を書いた人

藤原 友亮
展示会主催会社にて16年間、医療・介護・エレクトロニクス・農業・製薬など多業種の出展営業に従事。営業マネージャーとして毎年500社超の出展契約を統括してきた。特定業界の専門家ではないが、長年にわたり多様な業界の営業現場を見てきた経験から、営業活動の本質や外部委託の勘所について解説している。

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