商品やサービスの新たな販売経路を増やす【販路開拓】は売上拡大のために欠かせません。
販路を新たに開拓するにはなんらかの営業アクションを起こすことになります。どのようなルートに販路を開拓するのか?また販路開拓の方法とは?
選択によって、将来の売上は大きく変化するでしょう。
この記事では、販路開拓の手法を20通り紹介します。具体的に解説しているので、興味のある方は参考にしてください。
この記事の目次
販路開拓、販路拡大の重要性
企業に販路開拓・拡大が求められるのは、理由を整理してみましょう。販路開拓に積極的に取り組むためにも、その重要性を理解するのは重要です。
まずポイントを3つ紹介します。
既存の販路に依存していると先細りの懸念がある
同じ販売経路のみを続けている場合、売上の大部分を既存顧客に依存することになるため、先細りしてしまうリスクが高くなります。
従来の営業方法で、新規顧客もバランスよく獲得できている場合もあるかもしれません。しかし、現状は好調でも、同業他社がより強力な販売戦略で攻勢をかけた場合、シェアを脅かされる可能性もあります。
継続的、安定的に新規顧客を獲得するには、単一の販売チャネルに頼らず、幅広いチャネルから顧客を獲得する状態を目指すべきでしょう。
旧来の手法では営業効率が悪い
これまで順調に新規顧客を続けてきた企業であっても、今後同じように売れ続けるとは限りません。むしろ、将来的には逆風に立たされる可能性が高くなります。
例えば、技術革新により大半の業務がオンラインで完結するようになった今、対面営業のアポイントは獲得しづらく、対面営業よりもオンラインセールスが主流になっている業界もあります。
さまざまなマーケティング理論が現れ、営業手法も多様化する中で、自社に最適な営業手法を試みる必要があります。
悪循環に陥る
販売が順調に伸びず売上が低下すると、営業や広告にかける予算が削られることがあります。
また、販売不振では新規スタッフの採用も難しく、既存スタッフの待遇、給料の改善も困難でしょう。
高額な費用のかかる大規模な販路開拓はますます実行しづらくなり、営業効率がさらに落ちるといって悪循環に陥ってしまうことが想像ざれます。
売上低下のスパイラルを脱却するためにも、日ごろから販路拡大の意識と実践は重要なのです。
販路開拓、販路拡大に必要な3つのポイント
販路開拓はすぐにでも取り掛かるべきことですが、事前の戦略立案が大切です。
販路となる企業の数は非常に多く、特徴や効果もそれぞれ異なるため、まずはどこにどんなアプローチで販路開拓を行うか情報整理が望ましいでしょう。
この章では、どのような戦略にもとづいて販路開拓を実践すべきかについて解説します。
ゴールから逆算して全体最適を考える
ゴールから逆算をして、会社全体にとって最適な営業手法を検討することにより、最も効率的な営業を実践できるようになります。
逆説的に「部分的な最適化のみ優先した結果、成果につながらないケース」を検証してみましょう。
テレアポで自社サービスの導入により「営業にかかるコストの削減」を提案。「コスト削減」というキーワードが見込み客側に響きアポが多数獲得できたとします。
しかし実際には、自社サービスが競合他社と比べて高価格だった場合、コスト削減を期待した顧客と商談しても成約にはつながらないでしょう。
一見「テレアポ件数の取得率」では成果が上がっているものの、売上アップしていないのです。
ゴール(成約)から逆算すれば、このような自分で首をしめるような施策は避けられるはずです。
マーケティングに基づいて対策を考える
営業の施策について考える際は、マーケティングに基づいて考えなくてはなりません。
例えば、見込み顧客を増やすには、ターゲティングに関する知識が必要です。また、販売を増やしたいなら、自社商品の優位性や市場について知らなくてはならないため、3C分析・4P分析・SWOT分析などのフレームワークを用いることも重要です。
個人向け、法人向けかどうか、それぞれの商品の特徴によっても適切な分析方法は異なります。マーケティング全般について簡単に学習しておくとよいでしょう。
利用可能なリソースを考慮する
販路を増やすことに集中しすぎるあまり、実行部隊のリソース不足に陥る危険性もあります。
1,000件の見込み顧客を集めても、営業担当者が数名のみならすべてにアプローチできません。
最大でどれだけのリソースが確保できるかを考え、対応可能な範囲で成果につながりやすい施策から有効順位をつけて実践しましょう。セールスを外部に委託するのも検討事項です。
プロセルトラクションがあなたの販路開拓をサポートします
この記事で販路拡大の概要は説明していますが、それを自社に当てはめることはかんたんではありません。そこでプロセルトラクションではあなたの会社にマッチした販路開拓のプランニングから実践までサポートしています。
オンラインの販路開拓・拡大施策12選
この章では、インターネットの技術を使って集客や販売に結び付ける手法について解説します。
自社の営業手法との親和性を考慮しながら読み進めていただけたら幸いです。
自社WebサイトへのEC機能搭載
自社のWebサイトにEC機能を搭載し、サイト内で顧客が購買できるようにします。
SEO対策も並行して行い、サイト訪問数を増やせれば、一気に新規顧客になるかもしれません。
EC機能構築のメリットは、以下の点です。
- サイト内で購入手続きが完結するため、営業スタッフに負担がかからない
- サイト構築後には、保守以外の費用が生じない
ただ、サイトへの集客強化は手を打ち続ける必要があります。アクセスの集まるWebサイトを作成するには、まとまったコストを覚悟しなければなりません。
ブログコンテンツ
ブログなどのコンテンツを作成、配信し自社のブランディングと商品販売につなげられます。
ブログコンテンツは、一度作成すると将来的にも集客経路として機能し続ける可能性が高いツールです。ただ、ブログ記事に関しても、マーケティングとSEOの知識がないと、ひたすら記事が量産されるだけであまりアクセスが伸びないことになります。
コンテンツのよいところは、競合他社を探している顧客に対しても露出できることです。
外部ECサイトでの販売
自社の商品を外部のプラットフォームで販売することも可能です。
Amazonや楽天市場などが代表例。ECサイトは、BtoC商材に適したプラットフォームと思われがちですが、BtoBに特化したECサイトも登場しています。
ECサイト側に手数料が発生する分、自社サイトの販売時より利益率が悪くなりますが、集客を任せられるのがメリットでしょう。
アプリ作成・販売
スマートフォン向けアプリを活用する方法も近年よく見られる方法です。
アプリで利益を得る方法は主に3種類あります。
- アプリそのものを有料で販売する方法
- アプリ内で、必要に応じて課金をしてもらう方法
- アプリをフックとして、自社のブランディングや認知のために活用する方法
独自性のあるアプリはユーザーがファン化しやすい傾向にあり、仮に無料で配布すればより多くのリードを獲得できるようになるでしょう。独自のマネタイズをしなくてもただし、アプリ開発は高額なコストがかかる上に、リリース後も保守費用がかかるのがネックです。
またアプリの認知を広めるための広告費用も必要です。
動画投稿
YouTubeなどの動画コンテンツから、自社のホームページやECサイトに誘導する方法もあります。
動画は文字だけコンテンツの5,000倍の情報伝達力をもつとも言われています。視聴数、再生回数次第で、問い合わせや受注につながる濃い問合せが取れるかもしれない点で魅力的な販売手法です。
多くの企業アカウントが動画コンテンツの制作を始めているため、狙ったキーワードでいかに上位を獲得していくかが重要です。
価格比較サイト
価格.comや一括見積サイトなどの、価格比較サイトに自社の情報を登録するのも効果的です。
特に業界特化型の広告サイトでは、効率よく見込み顧客を集められるでしょう。極端な値下げをすると価格競争に巻き込まれることになるため、自社の適正価格内で販売する姿勢が必要です。
また他社との差別化をどう考えるかも重要です。
業界団体のWebサイトへのリンク
業界団体の会員になるなどで、団体のWebサイトに登録されると、自社の信用性を高められます。
会員一覧ページのほか、リンク掲載可能かどうかを確認するとよいでしょう。有料でWebサイト内に広告の掲載に応じる場合もあります。他社に比べて目立つチャンスと言えるでしょう。
手間も費用もそれほどかからない手法ではあり、細く長く販路拡大につながるかもしれません。
ウェビナー開催
ウェビナー(オンラインセミナー)を開催して、リード獲得につなげる方法があります。
ウェビナーの活用法には、以下の種類があります。
- 無料で顧客の課題解決につながる有益情報を公開し、ブランディングに活用する
- 安めの価格でウェビナーを開催し、その後高単価な商材や個別相談を案内する
- セミナー内で自社商品の宣伝を行う
Zoomなどで気軽にウェビナーを開催するケースが増えています。オンラインコンテンツの数も増えているため、狙い目の施策です。
SNSでの情報発信
TwitterやFacebookなどで定期的に情報を発信して、ファン獲得を目指します。
SNSや動画コンテンツの拡散にも適しているため、他メディアとの連携が重要です。
ただしSNSでは広告・宣伝のカラーを出し過ぎないように注意。嫌気されるとフォローを外されてしまう可能性が高まります。
運用方針の設定や立ち位置の明確化が、SNS戦略の明暗を分けるでしょう。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーは、多くのSNSフォロワーをもつユーザーのことです。
インフルエンサーに自社商品を宣伝してもらえば、数十万人以上ものユーザーに情報発信できます。
さまざまなタイプのインフルエンサーがいて、それぞれフォロワー層が異なるため、どのインフルエンサーに依頼をするのかが大きなポイントになります。
Web広告の出稿
ディスプレイ広告やリスティング広告などのインターネット広告で集客を図る方法もあります。
ディスプレイ広告は、バナーを決まった個所に出稿しビジュアルで訴えかける広告です。リスティング広告は、こちらが指定したキーワードで検索された際に自社の広告が表示されるように設定される検索エンジン連動型の広告出稿サービス。
Web広告は、ターゲットをうまく絞り込み、関心のある層に対し広告表示できるかがカギになります。
Googleマイビジネスの活用
Googleマイビジネスに社名や業種を登録しておくと、ユーザーがキーワード検索した際に検索画面の目立つ個所に表示されます。
無料でGoogleマップと連携でき、実際の店舗や教室などに誘導したい場合にはさらに効果的です。またユーザーからの口コミや評価も表示されるため、新規ユーザーの獲得には効果的なプラットフォームになっています。
Googleマイビジネスも、SNSと連携させることで、より大きな効果が期待できます。
オフラインの販路開拓・拡大施策8選
インターネットを使ったオンライン集客方法におされがちですが、ここぞのタイミングのオフラインもやはり有効です。
「実際に会った」ことの親近感により、エンゲージメントを高め販路開拓につなげましょう。
ターゲットの年齢層高い、ITリテラシーが低い業界などはことにオフラインが効果を発揮します。この章では8の販路開拓手法を紹介します。
DM・チラシ送付
DMやチラシ送付は、顧客の状態やセグメントに合わせて送付すると反響率を高められます。
例えば、マーケティングオートメーションツールを使用して、DM送付のパターンを登録すれば、常に最適なタイミングで自動的にDM送付がる可能です。
また特定のエリアや顧客の業種を限定して、DMを送付することも効果的です。
フロントエンド商品の販売
フロントエンド(玄関商材)として価格の安い商品を用意することで、販路を拡大できます。
メインの取扱商品・サービスが高額商品の場合、新規顧客の心理的な負担がネックになりがち。フロンドエンド商品を「購入した経験」が本命商品の販売チャンスを作るのです。
展示会でのブース出展
展示会は、見込み顧客の効率的な集客に有効です。
業界団体などが主催し、同業他社が一堂に出展する場所なら、見込み客の関心も高い人が多く質の高いリードを獲得できるでしょう。
展示会後にいかに個別商談につなげられるかが重要なポイントです。
紹介を受けての営業
知人や顧客の紹介は、決裁権者に直接アプローチできるという点では非常に魅力的な販路です。
ただ、こちらが黙っていても顧客が紹介されるケースはまず期待できません。オーソドックスな手法は、紹介者・被紹介者の双方にインセンティブのある紹介キャンペーンの実施です。
成約した場合のキャッシュバックなど、魅力的なキャンペーンを実施できるかがポイントです。
販売代理店の開拓
自社商品の利益率が一定あるなら、代理店を増やし、その先に販路開拓を試みるのも方法の一つ。
販売手数料を設定し、代理店が積極的に商品を販売してくれるように促しましょう。販売代理店の固有の顧客に代わりにアプローチしてもらえるので効率的な方法でもあります。
特に、自社商品とのシナジー性が高い商材を扱う代理店は、引き受けてもらえる可能性が高いでしょう。
人脈形成
勉強会・交流会など、起業家やビジネスパーソンが集う場所への参加も機会創出の手法の一つです。
ただし「営業の場所」ではなく、あくまでも知り合いを増やし、人脈を作るという会の趣旨に反しないことは必須の条件です。自社の要望を前面に押し出していると相手側からの賛同、共感が得られません。
まずは「協力したい」と多くの人に思わせられるかが第一歩です。
営業代行会社の活用
営業そのものをアウトソーシングして、見込み顧客を創出することも可能です。
例えば、テレアポによる商談のアポ獲得をアウトソーシングに依頼すれば、自社の営業スタッフは商談やそのほかの業務に集中できます。
営業代行会社に委託したことで、自社スタッフが削減できた時間を使って、販路拡大の他の施策に取り組むのも有効でしょう。
サンプリング調査
商品の試用、試食などをオフラインで行い、アンケートやサンプリング調査するとよいでしょう。
- 見込み客からの生の声が得られる
- 顧客の抱え込み、先行販売が可能
- ファン化しやすく、エンゲージメントを高められる
調査そのものに加えて、「フォロワー層」を形成できる点にも注目です。BtoB、BtoCどちらにも使える手法です。
販路拡大に向けた施策を検討、実行しよう
販路開拓は、企業の持続的な売上アップ・発展のために不可欠です。現状の販売経路を分析、整理したうえで、今後どのような手法で自社の販売経路を拡大できるか、検討しましょう。
マーケティングについての知識も深めながら、ぜひ自社の最適な販路拡大策について検討し、実践してください。
プロセルトラクションがあなたの販路開拓をサポートします
方法は理解したけど、自社のサービスや顧客の場合どうすればいいのか分からない、そんな悩みをお持ちの場合は是非一度ご相談ください。リクルートなどの大企業からスタートアップまでサポート経験豊富な営業のプロがあなたの会社にあった販路開拓・営業方法をコンサルティングいたします。