ベンチャーやスタートアップで営業職を募集するケースが増えています。そもそも助成金の制度や支援事業が充実している、またベンチャーキャピタルによる投資意欲が増していることなどから、スタートアップそのものの数も増えているようです。
BtoBビジネスの展開を考えているベンチャー・スタートアップでは営業に課題をかかえる組織は少なくありません。
営業を疎かにしていると、せっかくのいいサービスがなかなかスケールできなくて悩むことにもなります。ベンチャーやスタートアップは試行錯誤しながら効率的な営業フローを確立しなくてはりません。
この記事ではスタートアップの営業の特殊な点、注意点を解説します。
この記事の目次
営業におけるスタートアップと大企業の違い
スタートアップ、ベンチャーと大企業の営業フローの大きな違いは、会社の規模と、確立したフローの有無でしょう。
何十年と続いている大企業では、独自のビジネスモデルと営業方法が確立しています。新規事業でも、過去のパターンに照らした営業フローを導入するでしょう。営業は限られた範囲の業務に集中できます。
一方で、スタートアップでは、新しいビジネスモデルを作り出す段階です。そのため営業しながら営業フローを作っている途中という場合が多く、自分たちで試行錯誤を続けるのです。従業員数が少ないため、幅広い業務を一人の担当者が兼任するのもスタートアップの特徴でしょう。
営業におけるスタートアップと大企業の共通点
ベンチャー・スタートアップの営業でも、大企業でも、求められる基本スキルは似ています。
たとえば自社の製品やサービスを30秒で端的に説明できるでしょうか。製品の特長を理解しておくだけでは不十分です。具体的には自社の製品・サービスに関する仕様や条件、メリットやデメリット、導入したときの効果、競合との差別化ポイントなどがあります。
営業の下準備で得た知識を、実践段階でも活用する姿勢が大切です。
競合企業が多い業界では、スタートアップが入り込めないほど需要に対して供給が上回っている場合があります。その場合、商品の良さをアピールしても、受注に繋げるのは難しいかもしれません。
一方、大企業であっても自社の製品を語れるのは営業の必須要件です。
- 自社サービスの仕様
- 自社サービスのメリット
- 自社サービスのデメリット
- 使用することによる効果
- 競合ではなく自社サービスを選ぶべき理由
これらを説明できないなら効果的な営業ができていないと捉え、しっかり分析しましょう。
スタートアップにおける営業の魅力とは
規模が小さく、業務フローが確立していないスタートアップ企業や新規事業ですが、大企業にはないメリットもあります。ここでは、スタートアップ企業で営業をする際のメリットについて解説します。
- 営業フローを自分で生み出せる
- ある程度裁量権がある
- 成果を残した分、評価や待遇に反映されやすい
それでは一つずつ見ていきましょう。
スタートアップ営業のメリット1:自分で営業フローを生み出せる
スタートアップでは、それぞれの営業パーソンに業務フローの確立が求められます。
勝ちパターンが出来上がっていないので、自分のアイディアや仮説に基づいて営業フローを作りましょう。たとえば、ターゲットの選定や、営業手法の選択、アプローチする際の訴求ポイントなどの営業フローができれば作り手のやりがいも感じやすいでしょう。
そして課題解決の方法を自分で思考し、結果を振り返ることを繰り返すため、高速でPDCAを回せるようになります。スタートアップや新規事業の営業は、自分で何かを作り上げたいという人には刺激的な業務になるでしょう。
スタートアップ営業のメリット2:一定の裁量権がある
スタートアップでは、若い社員もどんどん決裁権を与えれらます。
従業員が少なく一人で幅広い業務を担当することが多いため、業務では裁量権が与えられており、自分の意見を反映させやすいのがメリットの一つです。
また従業員が少ないため経営陣と接する機会も多く、自分の意見を経営に届けやすい環境と言えます。ときに自分の意見が反映されていると実感できればモチベーションは増すはずです。
スタートアップ営業のメリット3:成果を残せば、評価や待遇に反映されやすい
スタートアップには、大企業のような年功序列や組織体制の壁などはほぼありません。
年齢や勤続年数など関係なく、実績がそのまま待遇向上やキャリアアップにつながるでしょう。どうすれば会社が成長できるのかを常に考え、貢献すると自分自身も成長できます。
スタートアップ営業の方法とコツ
スタートアップの営業はどのように行われるのでしょうか。
先ほど説明した通り、大企業のように営業プロセスが確立されていませんので、ゼロから段階を踏んで進めていく必要があります。また、スタートアップやベンチャーでは予算やリソースも少なく、知名度もありません。
そこで考えられるのが、以下のような営業方法です。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- ホームページ
- パンフレット
- チラシの発行
- ダイレクトメール
- メールマガジン
どのようなスタイルが適しているかは、自社商材によって異なりますが、これら一般的な営業手段から選ぶとよいでしょう。
営業手法1:飛び込み営業
新規顧客の開拓の代表的な営業方法は今なお飛び込み営業です。
自社の商材を、ターゲットとなる顧客先へ1軒ずつ届ける地道な方法ですが、スタートアップ企業のように商材も企業名も知名度が低く、横につながる人脈もない場合には有効な手段です。
このとき、販売エリアやターゲットとなる顧客層が明確になっている必要がありますので、事前に営業戦略として計画を立てておきましょう。
営業手法2:テレアポ
新規顧客開拓として飛び込み営業と共に有効なのがテレアポです。
飛び込み営業と比べれば、電話でアポイントを取って営業へ行くため、無駄足が少なくなります。ただし、電話をした時点で断られることが大半ですので、テレアポ母数も重要になります。
テレアポ実施には、まずターゲットを絞って情報をまとめておく必要があります。エリアごとに分類して、できるだけ一回の営業ルートの導線上にアポイントが並ぶよう、戦略的にアポを取りましょう。
営業手法3:ホームページ
スタートアップやベンチャーでも、ホームページを構える必要があります。
飛び込み営業やテレアポを受けた顧客はホームページで確認するはずです。ホームページを確認してくれる顧客は見込み客に近いという判断もできるでしょう。
また、ホームページのデザインや機能によって顧客の印象を左右しますので、制作時にはブランディング、マーケティングを意識した作りにればよいでしょう。
営業手法4:パンフレットやチラシ
パンフレットやチラシの配布でサービスが浸透していくこともあります。
飛び込み営業で話しを聞いてもらえなくても、名刺とともにパンフレットやチラシを渡し、企業名やサービスを覚えてもらえます。
また、ポスティングを活用することで、企業名や商材の存在をアピールする手法も有効です。
営業手法5:ダイレクトメール
ダイレクトメール(DM)もまた、見込み客の母数を増やすために有効な手段です。
サービスを必要とする顧客に情報を届けることで、長期的に一定の成果につながるでしょう。本来、見込み客は市場調査や営業戦略で洗い出す必要があります。
顧客層を絞り込んだ上で、ダイレクトメールを行うのは予算の限られたスタートアップには有効です。
営業手法6:メールマガジン
自社ホームページから流入した顧客には、メールマガジンを配信するのも有効です。
顧客がサービスや企業名を思い出す手段にもなりますし、タイミングによっては問合せにつながるかもしれません。長期的かつ自社に好意をもった見込み客を育成するのに適しています。コストもかからないのでおすすめの手法です。
スタートアップの営業はやり方次第で成果が大きく伸びる
今回は新規事業の営業の手法ついて解説しました。最近では、相手のもとに足を運ぶ従来の営業方法ではなく、オンラインでアプローチする営業スタイルも増えてきています。オンライン営業では、マーケティング的な視点を持ち顧客へのアプローチをすることが重要です。
オンライン・オフラインを使い分けて効果的な営業活動を行ってください。
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