テレワークが一気に浸透した際、ほぼ同時にオンラインセールスも世の中に定着しました。もとは感染症が急速拡大した2020年ころに「お互いに会えないから仕方なく」だったオンラインセールスでしたが、今ではその便利さ・手軽さが広く認識されています。
この記事では、オンラインセールスで結果を出すための5つのコツや、特性を紹介します。ぜひ実践して、オンラインセールスが得意と言えるように役立ててください。
この記事の目次
オンラインセールスとは
Web会議システムを使って、インターネット上で行う営業を「オンラインセールス」と呼びます。
これまで客先を訪問してきた対面営業は「フィールドセールス」と呼ばれ、明確に区別されます。
「営業は足で稼いでナンボ。それ、もう古くありませんか?」というWeb会議システムのテレビCMが話題になったのはコロナ禍よりも前です。しかし2020年、感染症対策として在宅勤務が一気に広まったことで、顧客を訪問して対面営業を行う機会が激減しオンラインセールスが脚光を浴びるようになりました。
対面営業(フィールドセールス)とオンラインセールスの共通点
フィールドセールスとオンラインセールスには共通点があります。
Web会議システムでは画面ごしに資料や動画を見せて営業できます。また相手の表情を確認しながら、双方向、リアルタイムのコミュニケーションが可能です。
電話と異なりWeb会議システムには「顔が見えている」安心感、親近感があり、対面営業との共通点と言えるでしょう。
また相手に予告なく電話をかけるのではなく、オンラインセールスではあらかじめアポイントを設定します。そのため、お互いに「今から商談だ」とマインドセットされるのも対面営業に似ています。
オンラインセールスのメリット
オンラインセールスの最大のメリットは、訪問する側の移動時間とコストがかからない点です。
また顧客側も、会議室を抑えるなどの準備が不要となり、デスクから移動せず空き時間を利用して商談を行えます。そのため、訪問営業に比べ役職の高いキーパーソンに同席してもらいやすい傾向があります。
また資料を見せる順番や、資料の中で注目してほしいポイントをこちらでコントロールしやすい点でしょう。机の上が資料で散らかることもなく、資料をメールで送付したり、ダウンロードしてもらったりするのも簡単です。
対面営業のほうが優れている点
相手の細かな表情の変化に気づける、クロージングをかける際にこちらの迫力を伝えるなどは、対面営業のほうが優れています。
またオンラインセールスが定着すればするほど、わざわざ時間とお金をかけて訪問した特別感も、こちらの熱意を相手に伝えるのには役立つでしょう。
本当に重要なアポイント、オンラインセールスでは決着しなかった案件など、ここぞというときはフィールドセールスを決断する場合も多いようです。
オンラインセールスとインサイドセールスの違い
「オンラインセールス」と「インサイドセールス」の混同が多いですが、まったく別の言葉です。
語感が似ていること、またどちらも「フィールドセールス」の対義語として使われるケースが多いことが混同の原因でしょう。
オンラインセールスは、インサイドセールスの一つの手法、手段として含まれます。また電話営業もインサイドセールスの中に入ります。言葉の定義から解説していきます。
インサイドセールスは内勤営業のこと
アメリカで生まれたインサイドセールスは、日本語では「内勤営業」と訳されます。フィールドセールスが、客先を訪問して営業するのに対し、非訪問営業のスタイルを指します。
電話やメールを通じて、顧客とのコミュニケーションを取り、アポイントに発展するものをフィールドセールスに渡すというのが従来の役割です。
オンラインセールスもインサイドセールスの1要素
オンラインセールス(Web会議システム)も、顧客とのコミュニケーション手段の1つです。したがってインサイドセールスの過程で使用されることもあります。
電話やメールと比べて、オンラインセールスは画面を使ってより多くの情報を伝えられるので、双方にメリットがあります。
その上で「さらに詳しい説明が聞きたい」要望がある場合や、対面商談がより効果的だと判断した場合には、フィールドセールスの出番となります。
オンラインセールスで成果を上げる5つのコツ
社内会議やプライベートも含めWeb会議システムを使ったことがあると答えた人は2020年下半期で半数を超えています。
オンラインセールスが必要とされる場面はさらに増えていくことでしょう。誰でもすぐ実践できるコツをまとめたので、ぜひ成果アップにつなげてください。
適切な環境を整える
オンラインセールスでスムーズに営業を行うためには、快適なコミュニケーションを取れることが第一歩。音声が途切れる、画面のフリーズが頻発したら、相手の購買意欲も薄れてしまいます。
自宅の場合も安定したWi-Fi環境を整え、騒音、生活音のしない場所を選びましょう。また携帯電話やタブレットよりも、パソコンのほうが画面共有などがスムーズです。
使用するツールはすべて開いておく
テンポよく営業を行うために、説明に使用する資料ファイルはすべて開いて用意しておきます。使用する順番にウインドウを並べておくと、画面の切り替えがスムーズになります。
対面でも使いたい資料が見つからずにカバンの中を探す姿は相手を興覚めさせてしまうでしょう。すべての資料をPDFにしておく、1つのファイルにまとめておくと、画面の切替え回数をさらに減らせます。
そのためにも事前にセールスの内容をイメージし、準備しておくことが重要です。
30分刻みで間断なくアポイントを入れる
移動時間のないオンラインセールスでは、商談を終えてから2分以内に次のアポの準備を完了できます。
余計な前置きを省いて本題に入れば、多くの商談は30分で十分終えられます。そもそも次のアポイントが迫っていれば、端的なセールスが必須になります。
新たに考案したセールストーク、より効果的な資料の見せ方なども即座に実践すれば、自身のセールススキルも高まっていくでしょう。そして物量を多くこなすことが営業結果を伸ばす近道なのはフィールドセールスもオンラインセールスも同じです。
ゆっくりと話し、細かな同意をとる
対面して話すときと比べると、相槌が少なく相手の細かな反応が見えづらくなります。そこで意識的にゆっくりと話し、相手が聞きやすいように配慮することが有効です。
また「ここまでで宜しいですか」「次に商品の機能を説明しますが、ここまででご質問はありますか」などと、確認を細かく入れることで一方的な説明にならず、互いに心地よいコミュニケーションが取れるでしょう。
オンラインならではのちょっとした気遣いが顧客からの信頼感につながるかもしれません。
すばやくお礼のメールを送る
その日のうちに、お礼のメールを送ることも重要です。
クロージングで重要なのは画面で見せた資料を届け、いついつまでに決定してくださいと期限を区切り、次のアクションを促すことです。
相手の意欲は、アポイントの直後が最もホットな状態で徐々に低下していきます。したがって定型文に少し手を加える程度でもよいのでメール送信のスピードを重視しましょう。
こちらの熱意も伝わるはずです。
プロセルトラクションがオンラインセールスの実践をサポート
この記事でオンラインセールスの概要は説明していますが、それを自社に当てはめることはかんたんではありません。そこでプロセルトラクションではあなたの会社にマッチした営業方法のプランニングから実践までサポートしています。
オンラインセールスを効果的に行うツール
オンラインセールスはインターネット環境さえあれば、誰でも手軽に取り組めます。その手軽さゆえに、細かい点がおざなりになりがちです。
またネットの向こうの相手に、自分の姿はどう見えているのか、声はどう聞こえているのかが分かりづらいものです。こちらは一生懸命話しているつもりでも音声が途切れ途切れでは、メッセージはほとんど伝わらないでしょう。
どのようなツールを使えば、有利に商談を運べるかを解説します。
アプリケーション
オンラインセールスのアプリケーションは重要です。
ただメジャーなものはどれも機能は大差がありません。Zoom、Teams(Microsoft)、Skype、Meet(Google)、Webex(Cisco)などここで名前の挙がるものは、知名度が高く「一度は使ったことがある」方が多いはずです。
慣れている人が多いZoomは相手に一番負担が少ないかもしれません。ゲスト側はアプリケーションをダウンロードしたり、ユーザー登録したりする必要がなく、送られてきたURLをクリックするだけで会議を始められます。
パソコンが苦手な方にもハードルが低いことが最大のメリットです。
ヘッドセット型のマイク
マイクは自身の説得力を増すツールです。
いつも通り明瞭に話しているつもりでも、パソコンやスマホ内蔵のマイクでは声が聞き取りにくく、周囲の雑音も入りやすいもの。
ヘッドセット型で口元にマイクが来るタイプ、かつUSBケーブルでパソコンと有線で接続するタイプがおすすめです。クリアに声を拾ってくれるため相手が聞きやすく、また通信トラブルもほぼありません。
見た目にも、オンラインセールスに慣れている印象を相手に与えられる効果があります。
服装と壁紙
服装と壁紙を決めるキーワードは自然さと清潔感です。
まず服装は、男女問わず襟がついた落ち着いた色のシャツが無難です。在宅勤務でTシャツ姿だと、ラフに見える上に生活感が出てしまいます。相手が気になってしまう服装は、営業に集中できない原因となるので御法度です。
同じく背景も生活感がにじみ出るようなリビングルームなどは避けましょう。背景をぼかす機能やビーチ、森の中の壁紙なども用意されていますが、これらも不自然です。
「Zoom 壁紙 部屋」などと検索すると、さまざまな写真がフリーでダウンロードできます。当たり障りのない、基調が白色の部屋を選ぶのがお勧めです。
照明
オフィスの蛍光灯と比較すると、自宅では光量が足りず、顔が暗く映ることがよくあります。いくら清潔感ある白い部屋の壁紙を使ったとしても、肝心の自分の顔が暗い印象を持たれるのはマイナスです。
そこでLED照明を使って、明かりを足しましょう。2千円程度でリング型のLED照明を購入できます。色身や明るさを操作する、いわゆる「美人ライト」です。
顔を明るく照らすだけで、印象もずいぶんと明るくなります。相手にも明るい気持ちになってもらった方が、商談も進みやすくなるかもしれません。
オンラインセールスは分析、管理しやすい
営業マン自身が自分の営業を分析するときも、営業マネージャーがメンバーの営業量や質を管理するという点でも、オンラインセールスは非常に便利です。
定量分析が容易
Web会議システムの中には、いつ誰と会議を行ったかという記録が残せます。またWeb上のスケジュール帳を使っている場合には簡単にWeb会議の予定をコピーできます。
そのため、一人が1か月間に、何件の商談を行ったかなど定量的な分析を行うのが非常に楽に行えます。例えば「平均の2倍の結果をたたき出している営業マンは、商談も2倍の件数行っていた」などの傾向も簡単に掴めるようになるでしょう。
組織全体の営業結果の底上げにも有効と言えるかもしれません。
若手営業マンの同席、同行も簡単
新人営業マンの取ったアポイントに、先輩社員や上司が同行してヘルプをします。
アポイントが終わった後には、改善のアドバイスを行う、逆に先輩の営業に若手がついていってノウハウを学ぶ。これらは営業マンが一人前に育つための育成、教育に欠かせないものです。
リアルでの同行営業は、2名分の移動コスト、時間がかかっていましたが、オンラインならばこの余分なコストが圧縮できます。若手社員がどのような営業を行っているのかが、より気軽に検証できるようになったと言えるでしょう。
録画機能で改善をはかる
Web会議システムには録画機能が付いています。トップセールスマンの営業内容は多くのメンバーに教材になりますし、自分自身の営業を見直すことは課題を見つけ改善するための絶好の材料となります。
自分の努力次第で、営業内容をどんどん改善できるのもオンラインセールスの特性を言えるでしょう。
オンラインセールスは今後も需要が増える
フィールドセールスと、オンラインセールスにはそれぞれの良さがあります。オンラインセールスの強みを理解した上で、適切に使いこなせればより優れたセールスマンになれることでしょう。
これだけ広く社会に浸透したオンラインセールスは、今後も需要が増えていくのは間違いないでしょう。それに伴って「オンラインセールスが得意」な営業パーソンの需要も高まっていくものと予想されます。
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