テレコールは、テレフォンアポイントメントや電話勧誘営業などと呼ばれます。伝統的に企業の営業活動において用いられてきた手法ですが、現代のビジネスでも重要な策の1つです。

ただし商習慣、環境変化やIT発展などにより、かつてのテレコールとは求められるスキルや活用法はが変化しています。

この記事では、テレコールの概要や歴史的背景を紹介するとともに近年のテレコール事情や必要なスキル、スキルアップ方法について解説します。

テレコールで自社の営業力を高めたい企業には、参考になるはずです。

テレコールとは

テレコールの活用法や導入のコツを知るためには、そもそもテレコールがどのようなものであるのかを理解する必要があります。

テレコールは、コールセンター業務やテレマーケティングなどとどう異なるのでしょうか。まずは用語の意味をチェックしておきましょう。

テレコールとテレアポ

テレコールとは、営業担当者が電話を用いて消費者や顧客に対して商品説明や販売を行う営業手法のこと。電話勧誘営業などとも呼ばれます。

一方でよく使われるテレアポは、テレフォンアポインターの略。したがって言葉の定義、成り立ちからすると、テレアポは「業務を行う人」を指し、テレコールが「電話をかける業務」を指します。

テレコールが活躍するのは見込み客に対して商談アポイントを設定する場面がほとんどのため、やがてテレコールがテレアポという言葉に置き換わっていったと推測されます。

テレコールの歴史

テレコールの歴史は1980年代に始まったと言われています。

その後、テレコールの多くは電話勧誘販売(テレフォンアポイントメント)として営業活動のなかでも重要な位置を占めてきました。現状も、テレコールのことをテレアポと呼んで、新規顧客開拓の重要な手段として活用している企業は少なくありません。

リードナーチャリング(顧客育成)ツールや、顧客のニーズを調査するリサーチツールとしても使用されるなど、現在もテレコールの役割は広がっているのが実態です。

テレコールの実施メリット

テレコールを営業フローに取り入れるメリットは、大きく分けて3点あります。

営業業務の効率化

テレコールにより、顧客を直接訪問しないで販売できるため効率が改善されます。

営業担当者は移動時間を伴わずに、次々にコミュニーケーションを取れるので商談数が増加します。

コスト削減

テレコールの効果的な活用はコストの削減につながります。これは対面営業の移動によるコストや時間を減らせるだけではありません。

通話時の反応によって、見込み客に対して将来的に受注可能性があるかを判別できます。そのため長期にわたって追いかける価値のある、つまりコストをかけるべき見込み客を絞り込めるのです。

成果の向上

テレコールを適切に行うと、営業成果の向上につながります。

見込み顧客との接点を増やしたり、ベストなタイミングでアプローチしたりも可能になります。最適なタイミングでのアプローチを繰り返すことで、営業の成果を高められます。

テレコールだけで営業が完結するわけではなく、「テレコールを営業手段の一つ」として捉えて磨いておく必要があります。

よいテレコールに必要なスキル

テレコールを効果的に活用するには、いくつかのコツやテクニックがあります。

テレコールの精度が高まると、売上も上がりやすくなります。テレコールが得意な人材の育成や採用にも役立つかもしれません。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、すべての基本となります。

近年のセールスで強く求められているのは、顧客のニーズや要望を正確にヒアリングする力です。テレコールはこちらが話すことをイメージする方が多く、よどみなく商品を紹介する能力ばかり連想されますがそれはスキルの1要素にすぎません。

顧客が何を課題に感じ、解決を望んでいることを察知し、具体的に聞き出すスキルが最も重要です。話す内容は繰り返しの練習で比較的容易に改善できるためです。

ビジネスマナー

最低限のビジネスマナーが備わっていなければ、相手に不快感や不安を与えます。

特に、テレコールでは互いの顔が見えないため、不快な感情を持たれた時点で商談につながる可能性は潰えてしまいます。

ビジネスマナーで意識しておきたい点は、以下の通りです。

  • 適切な言葉遣い
  • 相手への配慮や尊重する姿勢を見せること
  • 顧客の依頼にすぐに対応すること(資料発送など)

ビジネスマナーについては、自分自身では気づかないことが多いため、研修などで身につけるとよいでしょう。また簡潔に話す、落ち着いたトーンで話すなど、顧客に負担をかけない「話し方」もマナーのうちに含まれるかもしれません。

商品や業界に関する専門知識

自社の商品はもちろん、競合商品や業界に関する一定レベル以上の知識は必須です。

テレコールにて顧客からの信頼を勝ち取るには、「この人はわかっている」「自分より詳しい」と感じさせる必要があります。具体的に勉強方法を紹介します。

  • 自社商品の説明が得意な営業パーソンや開発担当者に学ぶ
  • 競合他社のWebや口コミサイトでメリット、デメリットを把握する
  • 業界紙や業界のポータルサイトでニュースを読む
  • テレコールで聞いた生の情報をストックする

テレコールでは、分からない話題が出た際に調べながらセールスを続けるのは困難です。ただし顧客ならではの事情、高度な専門知識については先方に教えてもらう度胸も有効です。教えてもらったことは自身の財産になります。

専門知識を身につけるには日ごろからの習慣とトレーニングが大切です。

セールスマインド

テレコールを成功させるためには、マインドの要素も重要です。

  • テレコールによって顧客の課題を解決する前向きな姿勢
  • 断られたときの切り替えの早さ
  • 成約率・アポ率を少しでも高めようと工夫する情熱

マインドも訓練できます。チームとしては、以下の対策を取るとよいでしょう。

  • メンター制度や相談窓口を作り、スタッフのストレス対策を行う
  • スクリプト精査や業務標準化により成約率を高め、業務の心理的負荷を軽減する
  • 上司や先輩スタッフが、若手のスキル向上に協力、関与する
  • 適度にリフレッシュできる時間を設ける

もちろんひとりひとりが、自身でポジティブに取り組もうという意欲が欠かせません。

プロセルトラクションがテレコールの実践をサポート

この記事でテレコールの活用法は理解できますが、それを自社に当てはめることはかんたんではありません。プロセルトラクションではあなたの会社にマッチした営業方法のプランニングから実践までサポートしていますので、お悩みの方は是非一度ご連絡ください。

まずは話を聞いてみる

テレコールを極めるための4つのコツ

テレコールの質を高めることには、成約率を高めて生産性をアップすることにも、スタッフのメンタル対策にも有効です。

この章では、テレコールを極めるためのコツを4点ご紹介します。

タイミングを重視する

テレコールの成否は、タイミングによって大きく左右されます。また、顧客側の状態を見極めてこちらのアプローチを計算しなくてはなりません。

例えば、顧客のニーズが顕在化していない、商品・サービスの導入を検討していない段階では、まずはニーズ顕在化が必要です。ここで商品を売り込んだり、アポを設定したりしても、成果は得られません。

顧客ニーズが顕在化したら自社を選んでもらえるよう、クロージングに向けたすばやい情報提供が必要。

特にBtoB営業では、クロージングまでに顧客と長期的な関係を築く必要があります。現在の顧客の状況をヒアリングして、自社でデータを蓄積し、状況に応じたアプローチを試みることが重要です。

精度の高いスクリプトを用意する

スクリプトとはトークの流れを記した台本のようなもの。

よいスクリプトがあると成約率は大きく向上します。質問の内容や説明の順番で、相手が受ける印象が変わるからです。

成績のよい営業パーソンのスクリプトを土台にして、メンバー全員で同じものを共有する組織が増えています。ITツールを活用しフローチャートを作成しておくと、顧客の状況に合わせたスクリプトがその都度表示される機能もあります。

定期的にアポ取得率やDM送付件数などのコンバージョンデータを取得し、ブラッシュアップするのも重要。先方が通話を打ち切ってしまう「離脱ポイント」の特定、改善もあわせて行いましょう。

個々のスタッフのスキルを高める

テレコールの成果は、スタッフのスキルによって成果に違いが生じます。生産性を向上させるためには、特定の個人に依存するのではなくチーム全体の成約率を底上げが大切です。

個々のスキルを高める具体策は以下のとおりです。

  • 外部研修の実施
  • 社内でのロールプレイングの実施
  • 成約率による成果報酬制度の導入

ただし、いずれも仕組みの導入だけでは不十分です。先に前向きなマインドの醸成が必須だというのは経験あるマネージャーなら多くが同意するでしょう。マインド、次にスキル向上の順番が重要です。

マネージャーが適切に管理する

テレコールを効果的に活用するためには、マネージャーによる管理も重要です。

テレコールツールやシステムにはモニタリング機能が搭載されています。マネージャーは、スタッフのコール内容を確認して、成果が出ていないスタッフに対して改善方法や研修の実施を提供できます。

営業の内容を標準化しようとマニュアルやスクリプトを共有しても、話し方やアプローチ手法に個人のクセは生じやすいもの。マネージャーの管理・アドバイスによって全体の方向性を適正化をはかります。

テレコールの成果を高めるために利用できるサービス

テレコールの成果を高めるために、外部のサービスやツールなどを使用する方法もあります。ツールやサービスを的確に活用すれば業務負荷の軽減と生産性の向上を同時に実現できます。

営業管理ツール(SFAやCRM)

SFA(営業支援ツール)やCRM(顧客関係管理ツール)は多くの種類があります。

近年ではクラウド型のツールが主流で以下のような業務ができます。

  • SFAツール…顧客情報の管理・案件の進捗管理・テレコールリストの自動作成・状況別のフロー作成など。「営業支援」の名称の通り、効率的に営業を行うために必要な機能を幅広くりようできます。
  • CRMツール…顧客情報の登録・アプローチ履歴の管理など。顧客と自社との関係性を管理できます。

実際には、SFAとCRMの両方が多機能化しており、機能が重なり合う部分が多くあります。

したがって、ツール導入には、機能や料金をチェックし自社が必要とする機能の見極めが重要です。クラウド型は、初期費用が安価に設定されており、サービスによってはお試し期間が設けられているものもあるため、気軽に試せるでしょう。

営業コンサルタント・研修会社

外部の専門家から、指示や指導を受ける方法もあります。

コンサルタントに依頼する場合は、自社の課題に基づいた改善提案を受けられます。営業の進め方やスクリプトの改善・アプローチする顧客のターゲティングなどをトータルでチェックしてもらえるため、営業課題が浮き彫りになるでしょう。

ただ費用は高額です。長期的にコンサルティングを依頼するより数回~数ヶ月間にて改善を試みるタイプのプランがおすすめ。コンサルティングを受けながら自社にノウハウを蓄積していく心構えも重要です。

研修会社は、研修プランやサービスが会社によって大きく異なります。自社の状況や悩みにあった研修プログラムの受講や、ビジネスマナーやロジカルシンキングなどでは録画映像コンテンツで受講する場合もあります。

コンサルティングや研修は自社の状況に合わせて利用することが重要です。

テレコール代行(テレアポ代行サービス)

外部の業者にテレコールを代行依頼することも可能です。

すべての業務を代行会社に委託すると、自社にノウハウが蓄積できなくなるリスクはありますが、テレコールのプロに任せられるため、高い成果が期待できます。また、ファーストコンタクトを代行業者に依頼し、自社のスタッフはクロージングやアフターフォローに注力するといった戦略的な活用法もあります。

まとめ

テレコールは、以前からあるとてもなじみの深い営業スタイルです。しかもITツールの進化やサービスの多様化によって、テレコールの実施方法も多様化、進化しています。

戦略的かつ科学的にテレコールをおこなえば、営業成果が向上する余地はあるでしょう。また研修・外部コンサルティング・営業管理ツールなどを効果的に活用し、生産性を高める発想もおすすめです。

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