営業活動の効率化や成果の向上を図るために、AIや営業代行の導入を検討する企業が増えています。しかし、以下のようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「営業代行に依頼してみたいが、AIでも代用できるのでは?」
「AIと営業代行、結局どちらを選ぶとよいのだろう?」
結論から言うと、AIと営業代行は「どちらかを選ぶ」のではなく、組み合わせて活用することで、より高い成果が期待できます。
本記事では、営業業務におけるAIの使い方や、営業代行との併用について解説します。営業代行とAIの導入でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
営業業務におけるAIの活用範囲
生成AIは、営業の現場でも広く活用されています。AIは、大量のデータ処理やパターン認識が得意なため、以下の業務で高いパフォーマンスを発揮します。
ターゲットリストの自動作成
アポ獲得の第一歩として必要になるのが、営業先をリストアップした「ターゲットリスト」です。以前は業者から購入するのが王道でしたが、AIを活用することで、自前で作成できるようになりました。
ChatGPTなどの生成AIに、業種や企業規模、対象エリアなどを入力するだけで簡単に作成できます。
AIに「〇〇市にある従業員数100〜500名のIT系企業のリストを作成してください。企業名と住所・電話番号・WebサイトとメールフォームのURLを記載してください。」といった指示を出すだけで、オリジナルのターゲットリストが完成します。
営業メールのメッセージを自動生成
生成AIは、営業メールのメッセージ作成にも役立ちます。
従来の営業メールでは、テンプレートを使用しつつ、相手に合わせてアレンジするのが一般的でした。しかし、テンプレートを使用した営業メールは画一的な内容のため、受け取った人が「自分には関係がない」と判断する傾向にあります。
一方で、生成AIを使うと、相手の業種や属性に合わせた文面が作成できます。受け取った人にとって「自分ごと」のように感じられるため、開封率や反応が高くなるでしょう。ただし、生成AIが作成した文面をチェックせずに、そのまま送るのは危険な行為です。
オンライン商談の議事録作成や要約
生成AIを使用して、オンライン商談の会話を議事録化することも可能です。ChatGPTを使用した場合の作成方法を解説します。
最初に、オンライン商談の録画や録音から音声データを抜き出します。抜き出した音声データを「文字起こしツール」で文字起こしして、ChatGPTで議事録化する流れです。
議事録は、要約や箇条書きの形式での記載も可能です。完成した議事録は、商談の振り返りやトーク改善に活用しましょう。ただし、機械による自動的な作業をすべて信用するのは危険です。
特に専門用語や固有名詞の誤字脱字がそのまま記録されると、思わぬトラブルにつながりかねません。重要な議事録として記録される前に、必ずチェックが必要です。
営業用のAIツールには、文字起こしなしで音声データから要約まで行えるタイプもありますので、使用を検討してみてもよいでしょう。
AIが苦手な営業業務
一方で、AIには苦手な業務もあります。たとえば、相手の感情や空気を読むことや、文脈を把握して柔軟に対応することは、人間ならではの能力だと言えます。
営業プロセスにおいて、AIで対応しにくい業務は以下のとおりです。
- ・顧客の潜在ニーズを掘り起こす作業
- ・曖昧な課題を具体化する提案
- ・信頼関係の構築
- ・雑談や相手への共感
- ・イレギュラーな場面でのトラブル対応
- ・業界特有の商習慣への適応
これらはAIでは対応が難しいため、現状、営業業務をすべてまかせるのは不可能です。逆に人間が、上であげた業務に専念できるようなAI活用をするほうが賢明だと言えます。
営業代行がAIよりも優れている部分
柔軟な顧客への対応は、AIが苦手なため、人間がカバーする必要があります。とはいえ、人員不足により自社で営業対応ができない場合もあるでしょう。
そこでおすすめなのが、営業代行の活用です。営業代行とは、営業のプロフェッショナル集団が、自社の代わりに営業活動を行ってくれるサービスです。
営業代行の強みは「成果に直結する営業力」にあります。ここからは、営業代行がAIよりも優れている部分について解説します。
信頼関係の構築や顧客への共感力
顧客の反応に合わせた柔軟なトークは、AIの苦手な部分です。人間だからこそ行える柔軟なトークは、営業代行の得意とするところです。
信頼関係を構築したうえで、顧客のニーズに合った提案をすることで、一気に成約に結び付く可能性もあります。商談やヒアリングの質が高く、顧客の温度感に合わせたフォローができるのも、プロの営業代行を利用するメリットです。
高額な商品やサービスを購入する際に、本当に期待する効果が得られるのかと不安を感じる顧客は少なくありません。そんな時も、営業のプロが顧客の気持ちに寄り添い誠実に対応することによって、安心感を与えることにつながります。
細かい要望や複雑な状況への対応力
反応の薄い相手へのアプローチや、人間関係が絡む場面では判断力が必要ですが、複雑な商材や無形商材の価値を的確に伝えることは、人間でも難しいところです。こういった場面で必要なのは、プロの営業力です。
営業のプロである営業代行は、商談相手の要望をくみつつ妥協点を探し出したり、値引き交渉や細かい納期設定といった要望に対しても柔軟に対応したりします。
決裁者への最後の一押しなど、重要な場面をしっかりと見極めて契約につなげられるのは、優れた営業代行の得意技でしょう。
成果に直結する実践的なノウハウがある
営業のプロセスにおいて、AIによる自動化が進みつつあります。しかし現状では、実践的なノウハウが追い付いていない傾向にあります。
一方、人による営業は、これまでに積み上げてきた豊富な経験や知識に裏付けられています。
アポ獲得率を高めるスクリプト設計や、メールのタイミング、追客の方法など、あらゆる場面で豊富なナレッジを活かせるのは、人による営業の強みでしょう。
経験豊富な営業代行業者であれば、成功率の高いスクリプトやトークフロー、アポ獲得のタイミングや手法といった知見を持っているため、より成約につながりやすくなるでしょう。
業界に合わせた営業の知見が豊富
営業代行業者のなかには、特定の業界に特化している会社もあります。ITやSaaS、建設業など特定の業種に強い営業代行のほか、BtoBや新規事業に特化している会社もあります。
医療・不動産・IT・製造業などの業界には特有の用語や商習慣があるため、それぞれの業界に詳しい営業代行会社に依頼するとよいでしょう。業界や商材に応じた会話を引き出せるため、契約に結び付きやすくなります。
プロセルトラクションでは、これまでBtoBの新規事業を中心にワンストップで支援してまいりました。そのためSaaS、広告、HRサービスなどあらゆるBtoBビジネスにおいて、セールス&マーケティングの支援が可能です。
営業代行の導入をお考えの場合は、プロセルトラクションにぜひ一度ご相談ください。
AIと営業代行を組み合わせるメリット
現在進行形で発達し続けているAIですが、前述したように苦手な業務も少なくありません。そのため、人ならではの強みを活かせる営業代行と併用することで、苦手な部分をカバーできます。
ここからは、AIと営業代行を組み合わせることで得られる効果について解説します。
効率化と高品質な対応の両立が可能
AIと営業代行を組み合わせることにより、効率化を図りながら質の高い営業が実現できます。
たとえば、AIで営業リストの精度を高めることにより、 営業代行が確度の高い顧客へアプローチすることが可能になります。
また、AIで営業メールの配信や一次対応を行ったあとに、 営業代行が温度感の高い見込み客に絞って集中的にフォローすることも可能です。
営業後の分析やレポート作成をAIで高速化することにより、営業代行が次の打ち手を立てやすくなる点もメリットでしょう。
コスト削減と属人化防止が可能
AIと営業代行を併用することにより、工数を削減できます。社内に営業パーソンを増やすことなく営業活動を最大化できるため、採用コストの削減にもつながります。
AIと営業代行を組み合わせることで、少人数で大量の営業をこなせる専門部隊を構築可能です。
また、AIを使用することにより、営業業務の属人化も防げます。「営業職は厳しそう」というイメージから、営業職への就業者数は年々減少しています。
人材不足だからといって、経験豊富な営業パーソンに依存するケースはめずらしくありませんが、そのままでは営業業務が属人化してしまいます。AIや営業代行を活用することにより、属人化を防ぎつつ新たな成果も期待できるでしょう。
AIと営業代行を併用する際のポイントと注意点
AIと営業代行の導入を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
ここからは、AIと営業代行の導入を成功させるためのポイントや注意点について解説します。
導入前の準備を入念に行う
導入する前に「AIにまかせる部分」と「営業代行にまかせる部分」を明確にする必要があります。
そのためには、自社の営業課題を明確化しなくてはなりません。そのうえで、社内で担う部分と営業代行会社にまかせる部分の切り分けを行います。
AIツールの選定や運用も、営業代行会社と相談しながら進めることで、継続して改善サイクルを回せます。導入前の段階から営業代行会社との連携を密にすることで、高い成果が得られるでしょう。
「AIだけで営業が完結する」とは考えない
AIは、あくまでも営業支援に役立つツールであり、営業業務そのものを代替することはできません。
一部の業務においてはAIで効率化できるようになりましたが、「契約の締結」などの信頼関係が必要なプロセスでは人による対応が必須です。とくに、BtoB商材や高単価商品の営業では、相手の状況に応じた柔軟な対応が求められます。
とはいえ、社内のリソースが不足している場合は、対応できる人材が限られてしまいます。そこで有効なのが、営業代行の活用です。営業代行なら、リスト作成やアポ取りの段階から成約までを、必要に応じて依頼できます。
営業代行に丸投げしない
営業代行はあくまでもパートナーであるため、営業活動の丸投げはおすすめできません。営業代行の効果を最大化するためには、連携体制の構築がカギとなります。
うまく連携できなければ、依頼した意図や自社の状況が伝わらず、成果が得られない可能性もあります。
定期的に進捗の共有とフィードバックを行うことでKPI設計が明確になり、リード数やアポ数、受注数といった目標を達成できるでしょう。AIツールによる情報やデータも共有することで、より大きな成果を得られます。
成果を求めるなら「営業代行の活用」がポイント
AIは、営業活動において「効率化」「可視化」「自動化」を実現できる強力な武器です。しかし、AIだけでは完璧な営業はこなせません。
営業でもっとも大切なのは「相手のニーズを見極めて信頼を得ること」です。相手の感情を読み取ることは、成約につながる重要な要素ですが、AIには対応できないでしょう。
そこで営業代行を組み合わせることにより、人的なアプローチが可能になります。手間を減らしながら、成果を出すこともできるでしょう。
営業活動の効率化と成果を求めるなら、営業代行の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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営業に関するお悩みがあれば、些細なことでもご相談ください。