近年、さまざまな営業組織で導入されているインサイドセールス

しかし、単なるテレフォンアポインター的な位置づけから脱却できていない、あるいはリードをコントロールできず受注率が低下するなど、導入の意図とはほど遠い運用が散見されます。

弊社にも、インサイドセールスについて、下記のような相談が増えつつあります。

  • インサイドセールスを導入したものの、とにかくアポイントをとるだけでリードの見極めができておらず、生産性が低下してしまう
  • BDRを組織化したものの、成果がでているか不明
  • 立ち上げは良かったが、以降KPIが下がり続けている

インサイドセールスセールス導入により、営業生産性を高めるにはどうすればいいのでしょうか。

当記事では、実例を交えつつ、インサイドセールスの組織化や育成のヒントを提供したいと思います。ぜひ参考にしてください。

今回は大手人材サービス企業の営業企画部長に話を伺いました。

【事例企業の特徴】

  • 国内屈指の人材サービス企業グループに属し、中途採用ソリューションを法人に提供する事業部
  • 全国主要都市に営業所を展開。400名規模の営業組織。
  • 元来、顧客に提案するというより顕在化された中途採用ニーズにこたえる営業スタイル
  • 大手顧客はエンタープライズセールス、SMB(スモールマーケットビジネス)はインサイドセールスとフィールドセールスで役割分担のうえ攻略する方針

インタビュー内容

  • インサイドセールス導入の経緯は?
  • インサイドセールス導入で解決したかったことは?
  • インサイドセールス導入にあたり、最初に実施したことは?
  • インサイドセールス導入にあたり、苦戦したことは?
  • インサイドセールスのスキル強化の具体的な取り組みは?
  • インサイドセールスの成果は?
  • 今回の取り組みを振り返って、成果がでた要因は?

インサイドセールス導入の経緯は?

インサイドセールスを導入された経緯を教えてください。

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事業の成長計画を実現するために、適切な人員配置と組織体制を検討しました。

人材ビジネス(中途採用支援)の根幹は採用ニーズの取得です。

プロダクトやサービスの観点においては、大手顧客だけ営業すればいい、ということはなく、求職者への良質な求人情報という観点では、希少性の高い求人情報を取り扱わないと、メディアやサービスのパワーがつきません。

採用ニーズが頻発する大手顧客は、採用ニーズとの遭遇率をマネジメントする必要がありませんが、採用ニーズが年に数回という顧客は、採用ニーズとの遭遇率をマネジメントする必要があります。

要するに、顧客ポテンシャルの少ない方をマネジメントしなければならないというジレンマがありました。

そのため、大手顧客はエンタープライズセールスが、SMB市場においてはインサイドセールス×フィールドセールスでもれなく採用ニーズを取得する体制を志向したのが、導入のきっかけです。

インサイドセールス導入で解決したかったことは?

インサイドセールス導入で、どのようなビジネス課題を解決しようとされたのでしょうか?

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全国に散らばる中小企業の採用ニーズを効率的に取得し、売上を拡大することです。

マーケティングが獲得するリードは少ない状況にありました。そのため全国に散らばる中小企業に対して、インサイドセールスがリードを獲得し、オンライン商談でクロージングする効率のよい営業体制をめざしました。

また、フィールドセールスで商談すべき顧客もあるだろうということで、フィールドセールスも設置しました。

インサイドセールス導入にあたり、最初に実施したことは?

インサイドセールスの導入にあたり、最初に実施されたことを教えてください。

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我々が志向したのは、インサイドセールスの種別でいえば、BDRです。マーケティングのリードが圧倒的に少ないことから、プッシュ型でリードを獲得する必要があったのです。

我々の営業パーソンは、新卒で入社し当初新規開拓を行います。新規開拓力の高い若手人材を中心に、組織を組成しました。

次に、全国のターゲット企業リストを作成し、電話でのアプローチをメインにセールス活動をスタートさせました。

プロセルトラクションがインサイドセールスをサポート

この記事でインサイドセールスの概要は説明していますが、新規事業で自社製品に合わせた手法を見つけて実施することはかんたんではありません。そこでプロセルトラクションではあなたの会社にマッチしたインサイドセールスのご提案から実践までサポートしています。

まずは話を聞いてみる

インサイドセールス導入にあたり、苦戦したことは

苦戦したこと、難しかったことなど、あれば教えてください。

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立ち上げから半年ほどは、順調でした。リード獲得だけではなく、受注も順調に推移しました。

思ったよりも早く成果が出たな、と安心していたら、半年経過したタイミングでリードも受注も急ブレーキがかかったかのように、下落したのです。

外部コンサルタントとタイアップしつつ、現状を把握してみると、アクション数(架電数などのアプローチ数)が低下し、アポ取得、商談も下降していました。

もう少し詳しく見ると、各インサイドセールスが新規顧客リスト配布されて以降、2カ月目〜3カ月目で下降しはじめる、ということでした。

分かりやすく言えば、新鮮な顧客リストを勢いよく総ざらいし、受注難易度の低い顧客に何社か遭遇した後、一気にパフォーマンスの低下が見られたのです。

コンサルタントの方から、最初の架電後のマネジメントが全くできていないこと、商談への効果的なつなぎができていないことの指摘を受けました。

また、マネジメントは実態が無く、計画が周知されておらず、結果としての数値(KGI、KPI)を見ているに過ぎないという指摘も受けました。

インサイドセールスのスキル強化の具体的な取り組みは?

立て直すために、どのようにインサイドセールスのスキルを強化したのでしょうか?

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最初に、チームとしての役割、インサイドセールスとしての役割などを明確にしました。

次に、インサイドセールスの業務フローを明確にして、業務処理能力を鍛えました。

インサイドセールスには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)を使いこなし、業務を効率的に行うスキルが必要です。

最初の架電の後、顧客から得た情報を記録し、次の架電につなげるには、業務ツールを使いこなし、情報の入力と整理を行う必要があったのです。

また、架電時のアプローチスキルも重要です。

架電時の反応、キーマンの氏名の取得、再アプローチの時間など、架電時の情報を細かく整理し、次のアプローチに備え、今まで知らず知らずのうちに捨ててしまっていたリストやリードに継続的にアプローチできるようにしました。

そして、最後にヒアリングスキルの強化です。何が何でも商談に持ち込み、提案を行う必要はなく、顧客のニーズや採用の重要性や緊急性をヒアリングして、リードの精査を行いました。

もちろん、オンラインセールスツールを使っての商談スキルの強化も実施しました。

インサイドセールスの成果は?

インサイドセールスの成果を教えてください。

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最初の挫折から、徐々に回復し、最終的には獲得リード数が計画比150%と大幅に伸びました。

また、インサイドセールスがクロージングする案件の受注率が向上しました。

適切な顧客に、適切なタイミングで営業が出来つつあると感じています。

可視化がとても重要です。それは管理するための可視化ではなく、インサイドセールスがリズムよく業務を遂行するための可視化です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

本事例のポイントは、下記のとおりです。

  • インサイドセールス(BDR)がリードを適切に管理し、継続的なアプローチを可能にすること
  • 上記を実現するための、インサイドセールスの業務処理能力を強化すること

インサイドセールスには高度なスキルが必要です。アメリカでは専門職に位置づけられているくらいです。

今日からインサイドセールスをやってください、と言われてすぐにできるものではないのです。

弊社では、お客様企業ごとの最適なインサイドセールスの体制強化を支援します。ぜひ、お気軽にご相談ください。