インサイドセールスは、リモートワークの広がりなどを受けて日本で急速に浸透しました。以前のように対面営業が当たり前だった時代からオンライン商談が増え、さらにインサイドセールスを導入した、または導入を検討している企業も少なくありません。
インサイドセールスの雇用形態には、自社雇用だけではなくフリーランスを活用する方法もあります。
この記事では、フリーランスのインサイドセールスの活用メリットや契約方法を解説します。企業側・フリーランス側の両方の立場にも役立つ情報をまとめたので、インサイドセールスを活用したい企業の方も、自らの営業力を発揮したいと考えているフリーランスの方も、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
営業の新形態インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、10年前はごく一部の企業でしか取り入れられていませんでした。日本ではなかなか浸透が進まなかった営業手法です。インサイドセールスを適切に導入するために、インサイドセールスの概要を把握しておきましょう。
内勤型営業と訳される
インサイドセールスは日本語で「内勤営業」とも言われます。事務所やスタッフの自宅に居ながら顧客へのアプローチを行う営業手法です。インサイドセールスは、フィールドセールスと異なり対面せずに、電話・メール・Web会議システムなどを活用します。
アメリカでは2008年ころから採用されるようになりましたが、日本で採用する企業はじわじわと増えていきました。一気に急増したのはコロナ禍の影響でしょう。気軽に客先に訪問できず、オンラインでの商談が当たり前となったため、インサイドセールスという手法にも注目が集まるようになりました。
Zoom、TeamsなどのWeb会議ツールも一気にメジャーになりました。画面ごしに資料を共有しながら商談するなど、顧客側もオンライン商談のハードルが一気に下がったのも普及の要因と見られます。
リモートワークとの親和性が高い
コロナ禍でリモートワークが増えたこともインサイドセールスの導入に拍車をかけたと言われます。
2020年12月のHubSpotアンケート調査によると、日本企業のインサイドセールス導入率は、37.4%です(n=515名、法人営業の責任者・担当者)。そのうち46.9%の企業が、直近1年でインサイドセールスを導入しています。
商材やサービスの内容にもよりますが、インサイドセールスの仕組みを整えると、基本的に客先に一切行かずに営業、受注まで完結できます。リモートワークしながら営業したいという現場のニーズにもマッチした結果と言えるでしょう。
顧客側にも歓迎される
インサイドセールスは、顧客側にとっても時代に即した営業手法です。HubSpotアンケート調査では「非対面型営業の方が望ましい」と考える人が「対面型営業の方が望ましい」と考える人を上回りました。
顧客側もリモートワークをしておりオフィスにいないケースが増えており、来社を受けるとなると自身も出社しなくてはなりません。また会議室の予約など受け入れ側にも準備が必要です。オンラインならパソコンの前に座るだけで事足ります。
オンラインの方が商談時間も短縮する傾向にあり、業務効率化の面も考えられます。
インサイドセールスはフリーランスに外注できる
インサイドセールスは、フィールドセールスと比較してフリーランスにアウトソーシングしやすい業務だと言えるでしょう。
電話とPCがあれば誰でも商談に臨めるので、営業経験のあるフリーランスの参入が急速に増えています。基本的に委託側のオフィスに出向く必要はありません。企業としても「求められる成果をきちんと残してくれれば、社員でも委託でも構わない」と考える場合も増えているようです。
インサイドセールスをフリーランスに依頼するメリット
企業がインサイドセールスをフリーランスに依頼する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、メリットを3点解説します。
効率的にインサイドセールスを実施できる
インサイドセールスを導入する場合、企業はまず営業手法を確立しなくてはなりません。
フィールドセールスのみを行っていた人材を配置転換すると勝手が異なりまるため成果が低下する例があります。対面型と非対面型の営業とではノウハウが異なるためです。
また自社にインサイドセールスのノウハウはあるものの人員が足りないケースもあるでしょう。
こうしたとき、フリーランスや営業代行会社のインサイドセールスを利用すれば、自社にノウハウやリソースが不足していても、すぐインサイドセールスを実施できます。
コストを抑えられる
インサイドセールスを外注化するメリットの一つにコストの低減があります。
必要な期間に限定して仕事を依頼できるためです。また正社員を雇用する場合に比べても、全体的な相場はフリーランスへの業務委託のほうが安くつくでしょう。
また営業代行会社とフリーランスを比較しても、フリーランスは個人で動くため低単価で請け負ってくれるはずです。
ピンポイントで自社のニーズに合った人材を見つけられる
フリーランスに仕事を依頼する場合、過去の実績や経験を見て、直接その担当者に仕事を依頼できます。
例えば、自社の商材の販売経験がある人材を転職市場で見つけるのは、時間がかかります。また、営業代行業者に依頼する場合は、ピンポイントで担当者の経験をチェックできないケースが多いです。
条件にピッタリとはまる人材を発掘できるのも、フリーランスの大きな魅力です。
プロセルトラクションがインサイドセールスの実践をサポート
この記事でインサイドセールスの活用方法は理解できますが、それを自社に当てはめることはかんたんではありません。プロセルトラクションではあなたの会社にマッチした営業方法のプランニングから実践までサポートしています。ご興味あればお気軽にご連絡ください。
フリーランスがインサイドセールスを受注するメリット
スキルをもった営業パーソンが、フリーランスとしてインサイドセールスを選択するメリットについて考えてみましょう。
スキルさえあれば業務受注できる
フリーランスでインサイドセールスを行うのに必要なものは、電話とPC、インターネット環境のみです。
インターネットツールが必要なケースもありますが、無料で利用できるツールも豊富にあり、有料の場合も依頼主からアカウントを支給されるのが一般的なようです。したがってワーカー側の負担になることはないでしょう。
自宅にいながら働けるスタイルなので、費用も手間もかけずに仕事をスタートできます。
ただし未経験者の求人は少なめ。フィールドセールスでも営業経験があることが望ましいでしょう。
ライフスタイルに合わせて働ける
フリーランスは働き方の自由度が大きいのが魅力とされます。
副業として収入を増やす、育児・介護との両立を図るため自宅で働くなど、個人の事情に合わせた働き方が可能です。また、スキルや経験次第では、単価を高く設定し収入アップを狙うこともできるでしょう。
電話営業のように、相手に時間を合わせなければならないものもありますが、基本は場所も時間も自分で選べます。
営業パーソンとしてスケールアップできる
フリーランスとして仕事を受注することで、実績や興味・関心を活かして自身が得意なフィールドで幅広く活躍できます。
また、フリーランスのインサイドセールスとして実績を残せれば、その次の仕事をさらに獲得しやすくなります。実績を重ねるほどに受注数や収入額は安定、向上するでしょう。
インサイドセールスのフリーランスの注意点
企業がインサイドセールスの仕事をフリーランスに依頼する場合には、相互で気をつけるべきポイントがあります。この章では必ず押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
案件のマッチングが重要
フリーランスのインサイドセールス代行が成立するのは、業務の要求レベルとフリーランスのスキルが見合っているときに限定されます。また、費用や業務内容に関して、企業側とフリーランス側が互いに納得していることも重要です。
したがって、企業はフリーランスの実績・プロフィール・やり取りなどから、フリーランスの方のスキルを見極めなくてはなりません。また、フリーランス側は、ご自身のスキルレベルを正直に公開し、応募の際に自分自身がスキル・経験の要件を満たしているかを冷静に判断する必要があります。
コミュニケーション体制を整える
インサイドセールスの業務を遂行するには、営業チームの他のメンバーやマーケティング部門とコミュニケーションが必要になるケースがあります。また、フリーランスの担当者がおこなった業務を的確に過不足なく報告することも必要です。
企業とフリーランスが滞りなくコミュニケーションをとれるよう、体制を整えておかなくてはなりません。ビジネスチャットツールやグループウェア、SFAツールなどを用いて、視覚的かつリアルタイムに情報共有できるようにしてください。
双方の責任範囲を明確にする
営業をアウトソーシングする際に必ず考えておくべきは、トラブルが生じた際の対策です。
これは相手がフリーランスであるときに限りません。代行会社であっても機密情報の漏洩やコンプライアンス違反などのリスクは常にあることです。特にフリーランス個人では背負いきれないほどの責任が生じる可能性さえあります。
まずはトラブルが生じないようにマニュアルを整えて、緊密にコミュニケーションをとることが大前提です。ただしリスク、トラブルが発生したときに、被害を最小限に抑える、また双方の責任範囲を明確にしておくことも重要です。
フリーランスのインサイドセールスに発注する手順
企業がフリーランスのインサイドセールスを発注する際の手順を解説します。
フリーランスのインサイドセールスとして働きたいというは、仕事の受注方法をイメージするために、参考にしていただけます。
自社の課題設定
企業側は、まず委託するインサイドセールスの内容を定義しましょう。商品・サービス販売のための営業手法のうち、どのような方法で顧客にリーチするのかを決め、インサイドセールスには何をさせるのか。
アポイント設定なのか、課題のヒアリングなのか、クロージング商談なのかで求められるスキルもかなり異なります。
リストにもとづいたDM送付やテレマーケティング、休眠顧客の掘り起こし、見込み顧客の創出など必要な仕事を定義したあとで仕事の全体の流れを決定しましょう。仕事の流れを設計するには、営業フローの考え方を活用するとスムーズです。
営業マニュアルの作成
インサイドセールスを外注する場合は、業務標準化のためマニュアルが必須です。
仕事の進め方を明確にし、不要な質問を先につぶして業務の効率化をアップさせましょう。テレアポのマニュアルには商品の紹介文や、模範となるスクリプトの提示、無理にアポを取らないなど注意点を示しておくことが大事です。
営業マニュアルは自社で成果を上げている社員や、マネージャーが中心になって作成すべき。募集時点で営業マニュアルが整っていると、フリーランスとのマッチング精度の向上が見込めます。
委託条件の決定
フリーランスに委託する際の条件を決定します。
- 報酬(時給や成果報酬の中身も詳しく)
- 業務期間
- 募集人数
- 求める要件(経験・スキル・資格など)
これらが明確に決まっていると、フリーランスの営業パーソンも安心して応募できるでしょう。
募集方法の設定
募集する媒体を決定して、フリーランスの募集をかけます。
使用する媒体によって、人材の傾向が異なるので、どれを使うかという議論も重要です。また掲載や採用時に発生する費用もチェックして効果的な露出、募集を行いましょう。
企業とフリーランスをマッチングさせる方法
企業とフリーランスがマッチングするマッチングする方法を解説します。互いに、最適な募集方法を知っておくと、希望条件で仕事がしやすくなります。
マッチングプラットフォーム・クラウドソーシング
マッチングプラットフォームやクラウドソーシングでは、企業が条件や業務内容を掲載して、フリーランスのインサイドセールスを募集できます。
登録者数が多いプラットフォームでは、応募も多く集まるでしょう。ただしハイスキルな人材、専門性の高い商材の営業経験者が見つけられるかは保証できません。フリーランスの登録時に審査はないため、さまざまなレベルの人材が混ざっているでしょう。
企業側は、募集条件や報酬を可能な限り具体的に記載すること、フリーランス側は応募時に経験や職歴を過不足なく伝えることが重要です。
以下のプラットフォームでは、企業・フリーランス間の契約書の締結や報酬の支払いなどをプラットフォーム上で完結できます。
SNS
広く募集をかけたい方は、SNSを利用する方法もあります。
できるだけ多くの応募を集めるために企業がやらなくてはならないのは、タグを効果的に活用することです。「フリーランス」「営業代行」「インサイドセールス」「在宅勤務」など、求職者が検索窓に入力する見込みのあるキーワードを使用し、応募数を高めましょう。
Twitterの場合、簡単な仕事内容を記載して、求職者に対してダイレクトメッセージを送るように誘導する募集方法が一般的です。
こちらも誰でも応募してくる可能性があるので、マッチしているか見極める力が必要です。
直接募集
自社のホームページに募集要項を掲載するなどの募集も可能です。
費用をかけずに募集をかけられるため、業務の緊急性が低い場合にはコスパの高い募集方法であるといえます。間口を広げるという意味でもおすすめです。
また、Indeedなど露出段階では費用のかからない求人媒体で露出を高めて、インプレッション数を上げる工夫も可能です。
インサイドセールス拡充にはフリーランス活用も有効
自社の営業力を高めるために、フリーランスのインサイドセールスを活用する企業が増えています。
インサイドセールスは、非対面型の営業であるため、対面営業が敬遠される現状にマッチした営業手法です。
無料で利用できるweb商談ツールやコミュニケーションツールも数多くあるので、全国の営業パーソンの力を最大限に活用できます。
プロセルトラクションがインサイドセールス活用をサポートします
ポイントは理解したけど、自社の立ち上げたばかりのサービスや新しい顧客層の場合どうすればいいのか分からない、そんな悩みをお持ちの場合は是非一度ご相談ください。リクルートなどの大企業からスタートアップまでサポート経験豊富な営業のプロがあなたの会社にあったインサイドセールスを提案、実行いたします。